再生への旅

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zoom RSS インド人にビックリ!・偽物にも値打ちがある

<<   作成日時 : 2010/11/01 04:20   >>

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やがて死ぬこの手に止まれ雪婆 玉宗


昔、カレーのコマーシャルで「インド人もびっくり!」というフレーズがあったが、今日は「も」ではなく、「に」というお話。

時々、お寺にも思いがけない訪問者がやってくるのだが、自称ボランテイアの物売りもそのひとつ。
昨日はインドの留学生だという青年が一枚1990円の絵を売りに来た。目に隈ができた彫の深い顔をした如何にもインド人というイケメンである。

私がお坊さんであるのが分かったらしく、「お釈迦様が死んだクシナガラから来たよ」とのたまう。インドからわざわざ能登の田舎で売り捌くこともあるまいに、疑心暗鬼が先行してしまった。訪問販売なら都会の方が効率がいいと思うのだがそうでもないのだろうか。訪問販売に日本人じゃなく、インド人とは・・・どこのなにものなのか訳が解らなくなり笑いそうになってしまった。

名刺代わりに差し出した葉書ほどの紙切れには印刷された文字で凡そ次のようなことが書かれていた。

「日本に留学しているインドの学生です。自分で描いた絵を買っていただいています。1990円です。」

1990円に拘っているらしい。いつまで日本にいるのかと聞いたら、1週間後にはインドに帰るという。帰省する前に観光がてら自作の絵を売っているということか、1週間後にはトンずらしているから追ってきても無駄だよということか。それともほんとにインドに帰る旅費を稼いでいる苦学生なのか・・・その辺の微妙なところを聞こうとするのだが、その途端に言葉が通じなくなる。益々妖しい。

聞けば車で移動しているという。結構リッチではないか。愈々妖しい。みればいつの間にか玄関の式台に腰を掛けては入って来た方へ眼差しを向けている。それは見ようによっては押し売りの開き直りのようなポーズにも見えなくもないが、遥か悠久のガンジスを夢見ているような留学生の感傷ポーズにも見えなくはない。いづれにしても決まっている。

根掘り葉掘り聞きただすのも面倒くさくなって、夫人に一枚選んでもらった。1990円というスーパーの目玉品だよみたいな値段が如何にも妖しい。2000円差し出し黙っていると、しぶしぶ10円のお釣りをくれた。これが↓彼が描いたという絵である。

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アルミだかなにかにエッチングの細工をし色彩をほどこしたものだという。「ああ、そうかいな」と言われるままに説明を聞く限り、そんな手間のかかったものが1990円というのも安過ぎないか?!と訝しく思ったものだ。どうみても複製、コピーにしか見えないのだが・・夫人は早々に私に対応させて出てこなかった。ものを見る目は夫人の方が確かなので、相手にしたくなかったらしい。

ところで最終的に夫人に選んでもらったこの絵だが、馬らしき動物に角が生えている。ユニコーン・一角獣というものか?ユニコーンならば、非常に獰猛で、処女の懐に抱かれて初めて大人しくなるという伝説の生き物である。角には蛇などの毒で汚された水を清める力があるという。何気なく選んだのだろうが、お寺に飾るのに相応しいのかどうか一瞬困惑してしまった。さしずめ私がユニコーンで、夫人が処女?それはあり得ない。処女なるものということで納得しておこう。

いづれにしても、偽物にしろ、本物にしろ、「1990円」という値段を向うが付けてきたのだから、それほどのものなのだろうと納得するしかない。というか、これが「19900円」だったら明らかに断っているのだろうから、インド人にしてみれば最初からその辺のケチな購買者の心理を先刻ご承知の定価なのだろう。敵も中々やるものだ。
まあ、人助けといえば大げさだが、印度と日本の友好の一助になれば、1990円で許してやろうかと。そんなはした金で友好もないだろうが・・・

そそくさと青年が帰った後、件の絵は早々にお寺の便所に飾られた。偽物には偽物の値打ちがある。目利きの夫人もそれには依存がなかった。それにしても今や先進国のインドの青年が能登の田舎で訪問販売とは、ガンジーもお釈迦さまもビックリ!グローバルな世の中だなあ。





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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
高らかに庫裏よりくさめ菊の寺    よし
yoshiyoshi
2010/11/01 05:48
厠の絵取り換へもして秋深む  湘次
湘次
2010/11/01 08:48
秋深しユニコンたわむるインド村
臥竜
2010/11/01 14:36
 よしさま、湘次さま、臥竜さま、一句ありがとうございます。合掌

「本当は眠つてゐたい芒かな 玉宗」
市堀
2010/11/03 11:57
はじめまして。
何故に、何年も前の記事に?と思われたかもしれませんが、実は私の営んでるお店にも(宮崎県)昨年末あたりに自称インド人学生と名乗る人が現れました。

うちに現れたインド人は徒歩でしたが、やはり同じように紙に日本語で書かれた紹介文を見せてきました。(おそらく内容は同じ)
絵は同じくアルミで制作したような絵でしたが、明らかに違うのが値段が¥1,990ではなく¥2,500でした(笑)
しかも最初は2枚買ったら1枚タダと言ってましたが、私が興味を示してると思った瞬間、途中からどさくさに紛れて3枚で1枚タダと言い出しました…

さすがに呆れていらない素振りをしたら再び2枚で1枚タダと言ってきました(笑)

そしてうまいこと丸め込まれ2枚購入し、1枚いただきました。
因みに頂いた絵だけサインがしてあったので調べてみたら、アメリカ辺りの画家の方の絵でした(笑)
まあ自分好みの絵を選んだので良しとしましたが^^;

今回、再び絵を見たときに、同じような境遇の方がいないかなと思い調べたらこちらのブログにヒットしたので思わずコメントを書いた次第でした。

長文大変失礼しました。

2015/02/11 15:57

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