再生への旅

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zoom RSS 復興とは何か?!・再考

<<   作成日時 : 2011/03/19 05:33   >>

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てのひらに掬ふ大海鳥雲に


平成19年3月25日の能登半島地震に被災後、様々な出会いがあった。

阪神大震災の被災者でありボランティア活動を続けている人たちとのご縁もその一つである。
彼らの招きで1月16、17日を神戸で過ごした事がある。6434人が死亡した震災から14年目を迎えていた年である。町並みには一見罹災したような痕跡はなく、田舎者の私などには神戸市民の復興の逞しさを感じたものだった。

早朝、地震が起きた時刻、被災地の一角に建つ地蔵堂の前で神戸市の各宗派の若手僧侶たち共に読経。長田区公民館では区民と被災体験を語り合う集会に出席した。地震発生直後より起きた火災は三日間燃え続け遺骨も拾えなかったこと、倒壊している家屋から救い出せないで目の前で火炎の犠牲になっていった人のこと、犠牲者の遺体の処置が凄惨を極めたこと、仮設住宅などでの孤独死、等など。そして今も続く地域の互助やボランティア活動のこと…。
 実は私にはかれらと出会った当初から感じていた疑問があった。それは、何が彼らをしてそのような無私なる活動を継続させているのだろうかということだった。

人間は矛盾に満ちた生きものである。だからこそ生きていられると言った方がいいくらいだ。生きることは理屈だけでは割り切れない領域を持っている。災いに遭ったことを忘れたいという思いがある一方で、忘れたくないという思いもある。一人にして欲しかったり群衆に紛れていたかったり。再生と鎮魂への遠い眼差し。立ち止まることへの恐れ。存在への抜き差しならない期待感、そして絶望感。

「何という人間らしさであろう」

それが私の偽らざる実感であった。
支援や支え合うことをせずにはいられないという彼らの言葉には、彼らが震災で受けたこころの傷、その深みからの生な響きがあった。奇麗事だけではすまない、容赦のない現実への洞察力があった。
 被災者の自立という言葉を何度も耳にした。真の自立とは孤立ではなかろう。人生に於いて、己を生かすには同じほどの自然さで人を生かさなければならない。それは人間おのおのが抱えている、いのちの真相であり、主義主張以前の極めてあたりまえの、気付くこともないくらいの事実である。支えられる方も支える方も共に救われなければならない。偽善だとか押しつけだとかいう批判、そんなことは取るに足らないことだ。

人を思いやるすべには様々なかたちがあっていい。真心というものは存在のはかなさに込められて通ずるほかはない。受け入れ難い人もいるかもしれないが、生きてある限り傷ついたこころを癒すのもまたこの常ならぬ危うい地上をおいて余所にないのである。ボランタリテイーに於いては、真心に共感するお互いの人間性が問われていることを忘れてはならない。

復興とは何であるか? 

能登半島地震に被災してから今年で4年となる。被災によって失くしたものは確かにある。しかし災難に遭うこともご縁なのだと強く実感したことも偽らざる事実である。そして九死に一生を得た今生の縁に手を合わせていた私。
 思えば人生において人災天災を問わず災害や事故事件、出会い別れに遭わないで過ごすことの方が稀であろう。能登半島地震に被災して以来、私には寺の再建という新鮮で充実した日々があった。そこには被災以前に思いも及ばなかった人生の展開があり、その日々は苦労であるとかないとかという次元を超えていた。

生きるとは縁を生きることである。縁は本来的に選ぶことができない。だからこそそれは人生の宝なのであろう。その宝をどう活かすかが復興の本質ではないか。それは被災者全てに与えられている遺された者としての人生の使命であり、人生の意義であるのかもしれない。生きている限り、人間は自己の人生を創造していく権利と義務がある。そのようなことに気づかされた震災体験。それもまた「縁である」という以外に私は言葉を知らない。








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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます
 何事も縁とし、人間として強く生きていくのが大事ですね。
湘次
2011/03/19 06:36
いつも励まされています。ありがとうございます。
くろちゃん
2011/03/19 07:27
 湘次さま。
縁を選ぶのが人間のかなしいところ。
容量の大きさが試されますね。

 くろちゃんさん。
ときどき熱くなりすぎたり、落ち込んだりしますので、火傷、落とし穴にご注意くださいね。
励みになるコメントありがとうございます。

合掌
市堀
2011/03/20 06:34
玉宗さん、こんにちは。
最後の7行共感いたします。
縁を生きること、そのご縁という宝を
活かすことが、復興の本質であると
まほも思います。
いつもお心にかけていただき、
ありがとうございます。
まほ
2011/03/20 14:44
 まほさま。
こちらこそ、いつもありがとうございます。
みな、精一杯生きているのですが、
比べてしまう癖が人間にはあって
出る杭は打たれたり、凹んだり、
いろいろありますね。
それがまた人間模様でしょうか。
お大事に。
合掌
市堀
2011/03/20 20:52

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