再生への旅

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zoom RSS やっちまったよ 「托鉢パパラッチ?!」

<<   作成日時 : 2012/01/15 02:48   >>

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鳥篭を軒に吊るせり女正月 玉宗

昨日は輪島崎町の「面樣年頭」と呼ばれる新年の厄除け神事の日でもあった。昨年も紹介したのでご存知の方も多いだろう。お面を被っているのは町内の男の子である。何故か終始無言で通さなければならない。毎年のことながら地元のテレビや新聞に取り上げられる伝統行事。例年、マスコミの取材を受けている。それはいいのだが、例年のように写真愛好家が数名取り巻いて歩いている。私の姿を見つけると着かず離れずの距離を保ってついてくる。
面樣達の歩いている横を通り過ぎるのを待っていたかのようにシャッターを切っていた。神仏の擦れ違う輪島の風土色が絵になるのだろう。

「まあ、いいか」

一団と離れていつもの托鉢コースを歩きだしたが、なんか不審な動きをする影が付いてくる。案の定、写真愛好家の連中である。挨拶をするでもなく、私を被写体に頻りにシャッターを切る。私が振り返るとカメラを隠し、明後日の方を向く素振りをする。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

遠慮しているのかいないのか。いつまでも尾行を続ける。昨日の記事に述べた「不安との付き合い方」と同様に、受け流してもいいのだが、はっきり言って目障りになってきた。修行が出来ていないと言えばその通り。然し、私に言わせれば、その修行を邪魔しているのである。それ以上に苦慮されるのは、彼らにとって「寒行托鉢」が如何なるものなのか、非常に気になり始めた。美しい輪島の風物詩、としての被写体。それ以上でも以下でもないのだろう。それは仕方のないことだと諦めることもできる。彼らに対して仏法のぶの字も説いた事はないのだし、興味もないことかもしれない。人に見せる為の「行」ではないと言いたいところだが、一概にそうでもないところがあるから話がややこしくなる。

はっきりしているのは興味本位のパパラッチの為でないことは確かである。

「なにも、私みたいなメタボ坊さんを撮らなくてもいいでしょ」

「いえいえ、そんなこと」

「祖院の托鉢がもうすぐ始まるよ。雲水さんたちを撮ってあげなさいよ」

「門前に行く機会がないんでね」

「輪島にも来るよ。聞いてごらん」

「いや、托鉢には変わりないですよ」

「それはそうだが、あんたに言われたくないね」

「・・・・」

確かに托鉢には変わりない。しかし、

「あんたは托鉢のなんたるかを知らんじゃろ。物乞いと大差ないと思っているくせに。寒風吹き荒ぶ中を歩いているお坊さんという被写体でありさえすればいいんじゃろ。四の五の言う前に一円でも喜捨したことがあるんかいね」

と言いたいところをぐっと堪えていた。

こんな会話の後でも十分ほどついて来た。その図々しさは異様でさえある。カメラを持っていることが免罪符と勘違いしている節がある。マスコミ気どりということもないのだろうが、肖像権やプライバシーが指摘される時勢である。お坊さんは公人扱いなのだろうか。私人扱いなのだろうか。公人であるならば、それはある意味、望むところであるが、それにしては礼儀知らずである。私人扱いというのならば写真にはモザイクを入れて欲しいし、何がしかの謝礼を要求したい。

まあ、それは蛇足であるが、思えば、「仏法」を説くこともない大勢の中でお坊さんをしているのが現実なのだと再認識させられたことではあった。「私は無宗教です」「全ての宗派を信じていません」と言われることに呆れる前に、「宗教」「仏法」を理解してくれる人を一人でも育てる努力をしているのかを自問自答すべきなのだと、いうような事まで思い知らされた一日であった。

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で、お寺に戻って夫人に今日のことを報告すると、言下にイエローカードを渡された。

「なにそれ、そんなこと言ったの?!おとうさんは、ほんとに馬鹿なんだから。黙って相手にしないで撮らせてあげればいいのよ。能登半島地震に被災したときだってマスコミに取り上げて貰って再建の力になったじゃない。お父さんだって嫌いじゃないんでしょ。そういうの。ブログをしていることがその証拠よ。
寒行托鉢の姿は年に一回だし、一般の人はありがたいものと思って見ているのよ。人がどう思おうとまっすぐやっていればいいのよ。余計なことに気を取られるなんて、坐禅が足りないんじゃない。まったくもう、信じられない!」

「・・・・・・・」

ということで、黙するしかに私なのであった、というようなお話。






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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
山茶花や幼き頃のマチエなど   よし

近所に住んでいた女の子マチエも
私とおんなじように老いただろうなぁ。
yoshiyoshi
2012/01/15 03:41
こんばんは。
粥やろうは粥施行と同じらしいですが・・・・・
見たことも有りません。
ただ冬の季題として出されたので
挑戦してみました。
小正月の団子挿しは母が毎年欠かしません。

托鉢ご苦労様です。
会津は豪雪地帯なのですが
東北といっても郡山は雪が数えるほどしか降らないのですよ。
ブログの雪の写真を楽しませていただいています。
面樣年頭、私その場にいたらパパラッチしてしまうかも?
今年も見せていただけて嬉しかったです。

明日、手術です。
大きな手術ではないのです。
でも盲腸の手術もしたことがないので・・・・・(笑)
では、また。
いらくさ
2012/01/16 18:35
yoshiyoshi樣。
紅顔いずくへか去りにしか・・最近、老け顔に急降下していると夫人に言われています。(^^;

いらくさ樣。
これはまた、とんでもない日にお声掛けしてしまいましたね。「粥やろう」も知らないで俳諧を語る私めでございました。(^^;

私も盲腸の手術はしていません。そう思っただけで気絶しそうです。冗談はさておいて、手術の成功と無事を切に祈っておりますよ。

一日も早い御帰還と一日も長いご養生という矛盾した思いで願っています。

いってらっしゃ〜い。(^^;

市堀
2012/01/17 20:08

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