再生への旅

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zoom RSS 東司作務・便所の仏様

<<   作成日時 : 2012/02/23 04:24   >>

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雪解けの光りの中や眠くなる 玉宗


坐禅、朝のお勤め、朝粥、そして作務。というのが午前中の僧堂行持なのだが、朝ご飯としてお粥を戴いた後の作務は、堂内の掃き掃除、拭き掃除が日課となっている。東司(便所)作務も毎日することになっている大事な作務のひとつである。特に新到さんが割り当てられることが多い。ということで弟子に東司作務の作法を教えてあげている。僧堂では安居期間(制中)になると第一座である首座和尚が自ら朝晩の東司作務を買って出るのが習わしになっている。隠徳を積むということを率先して行じている訳である。で、なぜそれが隠徳なのか、隠徳とは何なのかということを諦めて置いたに越したことはない。

宗門には「不染汚の修証」という忽せにできない教えがある。一般的に「修行」とは煩悩を払いのけ、身心共に自己を磨きあげ、「悟り」という余人も自己も嘗て窺い知れなかった有難い境地へ上ることのように受け取られていよう。汚れを拭き去り、塵一つない鏡のような身心を獲得するというものだ。「行」の本質がそれで済むのならば、手段と目的の線引きの中での話で終わってしまうではないか。「本来仏であるところの私共の修行とは「私的な悟りと迷い」を越えた次元の精進である。身心脱落とか再生とか言っても、自己が自己に落ち着くだけの話。何かを付けたしたり増減のあるもではない。本来、汚れも染まってもいないわが命を以って、あるがままの世界に真っ直ぐ参画していくのである。それを「修証一如」であるところの「不染汚の修証」とも云いたい。

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便所といえば一般的には三Kの一つと敬遠されることもあり、掃除するにも出来れば手を汚したくないという心理も働く。迷悟一如とはいっても味噌も糞も一緒ということにはならない。味噌糞はそれぞれの法位にあってぶれない。そうではあるが美醜、正邪、善悪等の二見は幻影妄想であることも事の実相である。味噌を見て有頂天になり、糞を見て嫌悪を抱き、毀誉褒貶・苦楽の生死に執着の迷いを重ねてはいないのか、ということが問われているのである。
東司作務という「行」はそのような自己の脚下照顧であり、二見の箍を外すための「清浄行」でもあろう。「清浄」なるこの「身心」を以って「清浄」なる世界に参ずるのである。法華転法華。身心脱落・脱落身心。「東司作務」という極めて具体的な日常世界に、譲ることのできない自己の還るべき清浄界が隠されているのである。自己の正法眼が穢れのない法蔵を照らすのである。隠徳を積まねばならない所以であろう。







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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます
 小学生のころは当番で便所掃除をしていましたが、そういうことも大事ですね。
湘次
2012/02/23 08:10
 台所以上にお世話になっている場所ですよね。
 中学校のころ、あまりお勉強は得意ではないけれど、ひとの敬遠する“便所掃除”を厭わないのがTちゃんでした。こびりついた汚れでも素手で掃除してました。私はただ横でぞうきんを持って見ていただけ。今頃彼女は何処でどうしているのでしょう。
 東司、面白い言葉ですね。東側にあるのが一般的だったのでしょうか?
くろちゃん
2012/02/23 08:51
磯笛や生きるといふは難きかな   よし
yoshiyoshi
2012/02/23 16:11
昔、妊娠したら「便所掃除をするとかわいい子が生まれる」と言ってました。
具体的におっしゃるような考えが元になっていたかどうかは分かりませんが、先達は偉いです。
遊子
2012/02/23 22:02
湘次樣。
最近の小学校のトイレはとてもきれいな作りだとか。世の中、きれいごとばかりじゃないんですけどね。

くろちゃん樣。
ああ、似たような人生の闇が私にもありますね。(笑)
東司は七堂伽藍の東部に位置しているのが一般的のようですね。臨済宗では雪隠でしたかね。何を雪に隠すということでしょうか・・・

yoshiyoshi樣。
磯笛…春の季語なのでしょうね。博識ぶりには十目ほど置いています。(^^;

遊子樣。
私もそのお話は記憶にあります。
雑巾で顔を洗うとイケメンになるというのもあったと思うんですが・・・あれは夢かな。(−−)

市堀
2012/02/24 18:30

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