再生への旅

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zoom RSS お寺は何に解放するべきか?

<<   作成日時 : 2012/03/17 04:04   >>

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涅槃吹く風も留まる椨大樹 玉宗

一人暮らしをしていたおばあちゃんで、能登半島地震以後、大阪に住む一人息子の元に引き上げていた檀家さんが亡くなった。故郷で葬儀をしたいという息子さんの要望でその日の夕刻まで輪島に遺体を運んだ。被災後、実家は既に撤去されていたので遺体を安置するところに苦慮していたようなので、お寺の一室を使って戴くことにした。
通夜、葬儀、骨揚げ、安位、中陰供養もすべてお寺で行う予定である。被災する以前から、興禅寺のために力を尽くしてくれたおばあちゃんだった。その家からは出家してお坊さんも数人出ており、お寺に縁の深いおばあちゃんは私にとっても良き理解者であった。再建した興禅寺から送ってあげたいというのは住職である私自身の願いでもある。

震災後、市内には葬祭場が出来て、以前のようにお寺を使っての葬送儀礼が行われなくなった。その風潮は能登に於いても顕著になってきている。今回も葬儀場を使う事も考えていたようだが、件の業者が割に合わないとでも考えたものか、いつになく消極的で、菩提寺の世話になることを強く勧めているの図には多少呆れたものである。

話は変わるが、お寺を死者の為だけに解放しているつもりもないのだが、お寺の活用とか社会貢献という名目に乗って、お坊さんの人生プランナーとしての能力が試されているとの指摘されて久しい。自称お坊さんプランナーによれば、お寺を解放するとは、各種イベントを企画し、その会場として提供し、多くの人達に仏教との縁を結び、癒しや救いとなれば、ということらしい。それは解らないではないが、その種の企画に集った来場者がそのまま仏教理解者でないことは言うまでもない。

芸能やライトアップや展示などといった催事が仏道とどのように関わるものなのか問い質したい思いに駆られることもある。
「それはないだろ。ちがうんじゃない?」といった違和感を抱くのは私だけだろうか?
少なくとも、仏道はもっと地道な、日常の生活に即した実践行であろう。華やかさや賑やかさ、センチメンタル、芸術的情緒、といったものを否定はしないが、それらを共有し、共感することが仏道の本義であるとは余りにも短慮が過ぎるというものではなかろうか。

開放すべきは自己の執着心であり、それはどこまでも自己の命への孤独な作業ではなかろうか。そのような命の深さへの切り込みは、数や量を恃んでどうなるものでもなかろう。縦令、どうにかなったとしても、そのような情緒的解放は、それも又妄想を一つ重ねたことになりはしないかと、私のようなへそ曲がりは思ったりしている次第。

死者の為だけにお寺を開放しているのではと危惧めいたことを述べたが、実際は、死者の為でもあり、遺族という今を生きている者達の為でもある。住職の引き籠りがちな性格という事もあり、わがお寺の人の出入りは少ない。そうではあるが、数少ない、仏法との機縁に力を尽くし、精進することに吝かではない。藪医者ではあるが、人殺しではない。それほどの自覚は持ち合わせているつもりである。それが今現在の、私の人生プランナーの力量なのであろうと思っている。





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コメント(3件)

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いずれにせよ、お婆ちゃん本人が一番喜んでおられることでしょう、良かった、合掌。

雨降れば雨似合いけり黄水仙   よし
yoshiyoshi
2012/03/17 08:51
そう言えば、昔はお寺での葬儀が多かったように思います。宗派にもよるでしょうが、葬祭場の機能を備えた寺がありました。禅宗では少ないのでしょうか。
志村建世
2012/03/18 23:32
yoshiyoshi樣。
無事、葬儀もおわり、息子さんも大阪へ戻りました。49日までお寺にお骨を預かっています。

志村建世 樣。
葬儀場形式のお堂を備えたお寺もあるようですが、本来、お寺であろうが、自宅であろうが、形はあるようで、ないようなもので、死者を送り、遺された者たちと共に魂を安んじるという基本さえぶれなければと思っています。合掌
市堀
2012/03/20 04:40

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