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zoom RSS 「道楽」についての一考察

<<   作成日時 : 2012/03/20 03:56   >>

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春風に唆されしだけのこと 玉宗

月に一度、私に俳句の添削を見て貰っている七十代になる印刷会社の会長さんがいる。何とかという俳句結社の同人なのであるが、本人は同人であることに違和感があるらしく、実力もないのに推挙を断り切れなかったことを悔いる一方で、俳歴ン十年の身には掛け替えのない誇りでもあるのだろう。悪い気はしていないらしく、本音では今更、断る気もないの容易に見てとれるのが微笑ましい。本人にしてみれば同人として自信を以って自作を発表できないらしく、悩んだ挙句、地元では仲間のいない私のところへ意を決して入門したらしい。以前からの知人でもあり、お寺の住職として敬っていてくれる好々爺ではある。そして、今度は俳句の実作指導ということで、親子ほどの年齢差があるにも関わらず、頻りに「先生、先生」と連呼する。「先生は止めてください」といってもきかない。

今日も次のような情報を切り出した。

「先生、実は先日、テレビを見ていたら、高野ムツオ先生が「俳句を楽しんでください」というようなことを言ってましたね。ん〜、今の私には俳句を楽しむということがどういうことなのか解らないんです。玉宗さん、いや、先生はどうお考えですかね」

今の氏には結社への毎月数句の投句が苦痛であるらしい。実作は勿論のこと、自選もままならないようだ。
氏と話をしていて、「俳句の楽しみ」又は、「俳句を楽しむ」とはどういうことなのだろうか、もっと普遍的に言えば「道を楽しむ」とは如何なる次第なのかと考えさせられたことである。

「道楽」とは、一般的に 自分の生活の中に仕事とは別に熱中できる趣味にふけり、それを楽しむこととされる。俳句に限って言えば、俳句を生活の糧にしているプロ俳人とは数えるほどしかいないのであろう。大半は素人であり、俳句が第二芸術とか、大衆文芸と括られる一つの所以でもあろう。それはそれでいいとして、プロと素人の違いは「道の楽しみ方」が違うのではないのかと思ったりする。

「遊俳」といった言葉もあったかと思うが、「遊び」には「仕事」とは異質の一生懸命さがあるのではなかろうか。子供が遊んでいる様子を見ていると、儲けようとか、名誉とか、当てにするとかいった余念がなく、「ただ、今、現在、ここに徹している」ことに気付くであろう。そして如何にも楽しげであり、無邪気であり、美しいとさえ見える。そこには勿論、プロも素人もない。子供はすべて遊びのプロと言ってもよい。全てがプロなら、素人とかそうでないとかというような色分けは必要ない。そんな世界が現成している。

俳句も又、一つの「道」であろう。今更言挙げするまでもなく、人生には様々な「道」がある。道は歩むからこその道であり、その道程には様々な辛苦や困難が待ち受け、山河が展開する。俗に苦あれば楽ありとも言うが、苦があるからこそ楽があるということが、この歳になって実感させられるようになった。「楽」とは一方的に与えられるものではない。というか、全てが楽であったら、それはすでに「楽」でもなんでもない。

努力や精進の先に、御褒美か福音のように実感させられるのが「道の楽しみ」「人生の味わい」「歩むことの楽しみ」であるというだけではまだ足りない。自己が選んだ人生の道。それが趣味であろうが、本業であろうか、余暇であろうなかろうが、ボランテイアであろうがなかろうか、遊びであろうなかろうが、「道」の真っ只中では「苦楽」を越えた「今」が現成している。苦楽に拘るのは「理屈や観念」といった次元に降りてきている証左であろう。子供はそんな理屈を持ちださない。分別ある大人が厄介である所以である。

以上のような「道」の様子は「仏道」に於いても同様であると私は認識している。「仏道」という「遊びをせんとや生まれけむ」と言っても、なんら差し支えないのである。

そのようなことを氏にも話したつもりであったが、さて、どこまで解っていただけたであろうか。覚束ない思いで来月の来訪を待つことにする。




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コメント(1件)

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耕人のあれば明日が信じられ   よし
yoshiyoshi
2012/03/21 07:48

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