再生への旅

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zoom RSS お坊さんになるための必需品とは?!

<<   作成日時 : 2012/04/04 05:05   >>

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紅梅や光陰ときに濃く淡く 玉宗


「お坊さんになるにはこの身ひとつあればいいんだよね」と、羨望とも蔑視ともつかない物言いをされることがある。

雲水さんとは行く雲、流れる水の如く、雲の心・水の意に適った生き方を習い、生きてゆく者のことである。一衣一鉢、身も心も軽く飄々と修行している仏弟子のことであるが、まさか、裸で修行する訳にもいかない。
雲水の七つ道具と呼ばれるものがあるが、今回、倅が僧堂に上山するに当たって揃えたものは次のような物なる。勿論、僧堂の方から指示されたものであるし、これ以前に、本人からの上山願書・履歴書・師匠の保証書なるものを提出している。

で、その必需品であるが、袈裟・絡子・坐蒲・大衣・応量器・袈裟行李・網代笠・手甲脚絆・色衣・白衣・襦半・下着上下・作務衣・靴下・手拭・足袋・襪子・経本・裁縫道具・洗面道具・習字用具・龍天軸・涅槃金・住民抄本・健康保険証・免許書・印鑑・目覚まし時計・腰紐・経本伏紗・ズック・長靴・寝具・草鞋・そして、上山許可書・・・ということで、軽く七つを越えてしまった。

まあ、何れにしてもこれだけのものが揃っていたらどこの僧堂でも修行できるだろう。そうではあるが、基本的には本人の志と修行に耐えうる五体が優先される。上述に列挙したものは必需品ではあるが、なくてはならないというものでもない。裸一貫の修行も実際はそう単純なものではない。僧堂が受け入れてくれるかどうか、といった問題も残っている。

いずれにしても、余計なものを何も持たないということこそが修行にとって大切な条件である。
余計なものとは何か?
実際のところ、物にも心にも「わたくしする・執着」の対象となるものが少なければ少ないほど、「我」を捨てて、謙虚な自分にならざるを得ない。強意的にそうならざるを得ないというより、必然的に身軽気軽にならざるを得ないというものだ。

禅的に生きるとは自己の実相と向き合い、受け入れて生きるということ。人間は、その人が身につけている洋服であったり、学歴であったり、地位や財産など付属物に捕われ易く、自己の身のほど、心の丈を把握できない事が多い。自己を受け入れるに当たって、錯覚・妄想・余計なものを纏いがちである。言葉の世界はそういった落し穴の最たるものである。世間の騒々しさといったらどうだろう。
僧堂安居の物要りなど、世間に比べたら驚くほど貧しいものであろう。「貧」を学ぶことこそ仏道の真骨頂であるとも言える。

真に独立独歩、余計なものに寄り掛からず、頼りにせず、当てにせず、腐らず、羨まず、無理をせず、ものにも心にも言葉にも執着せず、自在に、自然に、無為に、背筋を伸ばして真っ直ぐ、生きて行きたい。それを出家者と呼びたい。坐禅はその基本形である。
お寺の住職になっても、家族と共に居ても、雲水さんを羨み、坐禅を捨て切れない所以である。






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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
 此の歳となり物品欲は出すまいと思うのですが、何もないような寂びれた場所から、華やいだ都市に出て行きますと、流行りの衣服などに目を奪われます。家も土地も貯蓄も殆どありませんので、身軽な方だとは思うのですが、身辺整理が整いません。
舞踊の師をはじめ、周囲の方々から毎年扇やバックを頂き、バザーに提供品にする場合も多いのですが、其れでも捨てるに惜しく、譲るには失礼のような古物が一杯です。
 皿にお茶碗、箸にお盆でも食卓は足りると思う時があります。
其れでも実際の暮らしには、手放しがたい物が沢山たまり、器や花瓶が一杯です。
 病後は特に、何かと執着心の捨てられない自分を見つめ、あれこれ考え中です。
みどり
2012/04/04 14:37
つくづくと吾は海の子春なぎさ  よし
yoshiyoshi
2012/04/05 08:10
みどり様。
断捨離という言葉が流行していますが、昔から心ある日本人の生き方だったのでしょうね。ものに溢れてしまった現代、その洪水から逃れるのは容易ではありません。お坊さんとて対岸の流れと呑気に構えていられるものではありませんね。

yoshiyoshi様。
つくづくと、が実感できます。どこかで、ひろやかな世界を憧れる自分がいます。
市堀
2012/04/05 14:50

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