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zoom RSS 親ばか大作戦・その1「弟子を見直す」

<<   作成日時 : 2012/05/09 03:30   >>

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鈴蘭の寄り添うてゐて涼しさよ 玉宗


祖院の釈尊降誕会の前日、雲水さん達の「花摘み作務」があったわけだが、期待に違わず興禅寺の花を摘みに来てくれた雲水さん三名。その中にわが弟子・孝宗もいたのだから驚くじゃありませんか!
私は生憎、中陰のお勤めに出掛けるところだった。そんな胸の内はおくびにも出さないで対応したことでしたが、禁足中ということもあり、親子的、師弟間的な会話など出来るはずもなく、お互い他人行儀な挨拶を交わし、お寺を後にした。

帰ってから聞いた夫人からの情報!では、花の種類は豊富だが量的に間にあわないようで、十分ほど摘んで切り上げてしまったという。夫人からのジュースを手土産にしてお暇を願い、リヤカーを曳いて次なる花摘み現場へ向かったらしい。

一瞬ではあるが顔を見れただけで満足と言えば満足なのだが、普通を装ってはいたが孝宗の元気のなさが気になった。親の直観である。庫裏に戻って夫人と二人、ああでもない、こうでもないと心配の種拾いに暇を潰したことである。早い話、妄想っていうんですか・・・。

「いじめられているんじゃねえべな・・・」
「そんなことないわ。みんな優しい雲水さんばかりよ。覚えることが沢山あるし、まだまだ慣れないのよ、僧堂生活が。」
「ん、そうかなあ・・」

埒もあかない妄想を抱えたまま眠りについたことである。

明けて次の日。五〇パーセントほど信頼できる筋の情報を得た。それによると、今春は当初、5、6人の新到さんが上山する予定だった。それが上山前の二人が事情で棄権っていうんですか、取り止めたらしい。で、3月下旬に孝宗を含めた3人がやってきた訳だが、そのうち一人が旦過寮中で下山の止むなしに至った。目出度く入堂したのは二人。大衆さんの総人数は12人と聞いている。例年になく少ないといえば少ない。年齢的に孝宗は山内で一番若いようだ。それでも同じ春に安居している仲間が一人いて心強かろうと安心していたのである。

ところが、つい最近、その相棒も送行されたというではないか。

「えっ!んじゃ、今年の大本山總持寺祖院専門僧堂の新到さんは孝宗一人かい!」

其れを聞いて私には先日垣間見た弟子の一瞬のこころのブレが得心できたのだった。一人になってしまった心細さというか、まあ、そんなところだろう。次はわが身か、ということもなかろうが、自信を失くしつつあるのは間違いないと見た。

「こんなことでヘコタレてどうすんじゃ。まだ禁足の三カ月も経っていないのに、これからが本番じゃないか。今度、御詠歌の稽古で祖院に行ったら、孝宗にそう言っておきな!」

「何言ってるの、お父さん。そんなこと言えるわけないでしょ。だいたい、元気ないっていうけど、それもお父さんにそう見えただけで、宗はなんともなくやっているんじゃないの?」

「まあ、それもそうだが・・・。考えてみれば、厳しい修行に一人だけ生き残っているのだから大したものだよな・・・今のところ・・・」

「・・って、お父さん、なに泣いてんのよ、バカみたい・・」

「だって、そうだんべ。あの心優しい、怒ったこともないような子が有象無象の修行に耐えているんだもの。褒めてやりたいよ。」

「そんなこと言ってると、明日にでも帰ってくるわよ!」

「そ、それは困る!へこたれるんじゃね〜ぞ、孝宗!」

ということで、案の定、親ばかの一幕ということで。  <・・続く>





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
棕櫚の花魚の卵によう似たり  よし
yoshiyoshi
2012/05/09 04:37
解ります。ご夫婦のお心情が。
続きが待ち通しいです。
たか子
2012/05/09 08:44
 花が咲き鳥が鳴き若葉づく自然に在りながら、何かにつけ思われるのが、ご子息様の様子です。
お気持ち察します。
私なども電話がないのは元気な印と自らに言い聞かせながらも、近くに住みながら時々しか連絡のない二人の娘家族へ思いが至ります。
何処まで行っても親は親であることから、逃れることはできないのでしょう。
ですが子や孫の方は、どなた様の話を伺っても、殆ど親の方へ気持ちが向いていないようです。
其れが最も自然な育ち方と、受け止めるしかなさそうな気が致します。
たいへんな修行を貫くご子息様は、柔軟な心をお持ちのように見えます。ひとまわり大きく成長なさり、お寺に戻る日が待たれます。
 また、檀家の少なくなった寺社の苦楽なども伝わって参りました。
すべからく感無量というような感じです。
みどり
2012/05/09 16:34
yoshiyoshi様。
棕櫚の花、あまり見かけませんね。ぶつぶつと栗の花みたいなものでしょうか?

たか子様。
分かりやすいのが親ばかたる所以です。(笑)

みどり様。
親が一番子供の姿を見誤っているのかもしれませんね。情に流されるのではなく、情と共に人生を豊かに生きていきたいものです。合掌
市堀
2012/05/11 13:55

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