再生への旅

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zoom RSS 今日の諸行無常 「お墓という人の思い、石の思い」

<<   作成日時 : 2012/07/28 03:57   >>

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青栗の前生に似た柔らかさ 玉宗


興禅寺の施食会を一週間後に控えた昨日、お寺の墓掃除に行って来た。

一般と同じように、お寺にも歴代住職のお墓がある。興禅寺の墓地は亀山と呼ばれる町内の小高い山にある。以前は官地であったものを国から払い下げを受けて祖院が管理している墓地群である。勿論、總持寺歴代住職、五院門葉寺院所縁の亡僧、山内直末寺院の歴代住職の墓地が群立している。

明治以降の独住禅師の歴住墓に関しては塀垣の中に整然と並んでいるが、それ以外の亡僧のお墓は区画も雑然としている。本山移転後、廃絶した末寺寺院のお墓は無縁墓地の有様と言ってよかろう。年に数度、祖院の雲水さん達が墓作務で落ち葉掃きや草むしりをしてはいるが、如何せん、能登半島地震の後、独住墓地だけは復元されたが、未だそれ以外の亡僧墓地は倒壊したままである。
私は以前、祖院に出仕していた折、亀山墓地の参道整備に関わったが、お勤めしていた期間中には無縁墓地と化した山内有縁寺院墓地の整備までは手が及ばなかった。そのような矢先の震災であった。

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東日本大震災に遭遇したこともあり、当初より規模は控え目になったが、平成二十三年には曹洞宗大本山總持寺が能登の門前町より横浜市鶴見区に移転して百年、その関係を軸に百周年事業が展開された。現在も進捗中の祖院の能登半島地震被災復興事業も鶴見の本山が主体となって運営管理されているが、亀山墓地の無縁化された亡僧墓地の整備までには未だ手が回っていない状況である。

未だに荒れ放題の亡僧墓地群。名もない、本山修行中に亡くなった僧侶もいたことであろう。数百年に亘る本山を支えていたのは誰であるか。修行僧や総持寺所縁の寺院たちであるといって過言ではあるまい。本山移転後、実質的には無縁墓地と化した彼らの墓が泣いている。名もない彼ら修行者たちの連綿と続いてきた魂の痕跡が此処にはある。そのような聖地に心を寄せ、香を手向けることも出来ないようでは寺院がどうのこうのと云う前に、人間として情けないかぎりではないか。

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因みに亀山墓地は昭和50年代に国有地の払い下げを受けているため、曹洞宗の檀家だけではなく、門前町内の他宗派の檀信徒の墓が区画整理される事もなく林立している。過疎化に歯止めが掛らぬ少子高齢化の町の墓。無縁墓地は僧俗ともに抱えている先祖から託された課題である。

「お前たちはどっちを向いて生きていくのか?」

墓参やお墓の掃除をしているとそのような理屈を越えた「土の声、空の声」と言ったものが胸に響いてくる。切れながらも続いている「いのちの絆」といったものを如実に実感する。
「千の風」という歌が流行ったが、「お墓の中」には「骨」がある。それは「諸行無常」を端的に教え示す「経典」があるということだ。「なにもない」という「断見」や「風や光りや鳥になる」といった「お伽噺」ではない。

思えば小さい頃、父や母と先祖のお墓掃除やお参りをしていた風景が懐かしい。両親がどんな思いでいたのか、それを思うだけで切なくなるものが私にはある。「墓参」、それは人としてしっかり生きて行かなければと反省するときでもある。






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コメント(3件)

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月夜とて大待宵の燈りけり  よし
yoshiyoshi
2012/07/28 04:01
故郷を離れて40年近く、お盆とお彼岸のお墓参りは欠かしたことがありません、当たり前ですが。私の子どもの頃からの習慣が今では我が子たちにも引き継がれ、よほどのことがない限り名古屋・東京から帰省してくる。思えば、掃苔の手順も父から私、私から子へと引き継がれていきます、無縁様に必ず参ることも。しかし、私がつながっていると感じるのは「お墓」であって「お寺」や「お坊さん」ではありません。お盆の時に1年間の墓薙料(今は管理費というのかな)をお払いするだけのつながりです。昨日のお話にありましたようにご住職が檀家の相談に応じるようなことがあるのかどうかも分かりませんが。故郷を離れてしまったものの僻みでしょうか。

2012/07/28 08:03
yoshiyoshi樣。
月見草とは誰が言い出したのでしょうかね。

宙樣。
僻身かもしれません。(笑)
市堀
2012/07/30 14:56

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