再生への旅

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zoom RSS お寺の風景・お盆を控えて

<<   作成日時 : 2012/07/29 04:35   >>

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朝顔や家族といふも此岸まで 玉宗


能登は八月盆である。三日は興禅寺の山門施食会。棚経廻りは十二日から十六日まで続く。兼務の永福寺は檀家はないが、市内の信者さんを廻っている。

ところで、毎年のことながら日盛りの最中を棚経廻りで歩いていると、
「方丈さん、書き入れ時で大変だねえ。」と、励ましているのか、冷やかしているのか、はたまた羨んでいるのか、返事にこまる声をかけられる。まあ、向こうも返事は期待していないだろうから、笑ってやり過ごす。そのようなこともお寺の夏の風物であろうか。

一般にお盆前後は故郷に帰省して、身も心も落ちついて、ゆったり過ごせると思うのだが、お寺は炎天下を終日歩いて廻らなければならない。結構、ハードな時季なのである。ここ数年来、年齢的にも結構きつくなってきていた。なんとかしなければならない、と思案していた矢先、倅がお坊さんの道を歩き出すと言い出し、修行に行っている。お盆には帰省して補佐してくれることになった。体を休ませてあげたいところだが、お寺のお盆はそうもいかない。

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昔は民宿をしていたこともあり、夏場は宿泊客も多く、お盆の時期重なった多忙さは殺人的でさえあった。どうしてそこまでしてと思わないではなかったが、夫人や義姉、義母たち寺族が年齢を重ねるに従って体力的に対応できなくなったこともあり、十年以上も前に民宿の看板も下ろしたことである。今では、あの頃の忙しさが懐かしいくらいである。

施食会法要に合わせて、本堂の荘厳からお墓の清掃などお盆を迎える準備に寧日のない日々が始まる。今はまだ助走と言ったところだが、性格的に準備万端整えて事を迎えたい人間で、勢い余って先走り過ぎて「やっちまう」ことが多かった。そんな私も最近は以前に比べ「じっくり事に当たる」コツを覚えつつあるようだ。

そこへゆくと、夫人は恐れ入る。私の三倍は暢気だと言ったことがあるが、十倍くらい暢気に見えてくるから羨ましい。今日も買い物に行って、財布をどこかに置き忘れたと、あっちへ行ったり、こっちへ戻ったりして半日を費やしていた。結局、台所の引き出しに何事もなかったように置いてあった。買い物に財布を持っていったというのは夫人の思い込みに過ぎなかった。

そんな間の抜けたことを夫婦そろって仕出かしてしまうことが多くなった昨今。
今年のお盆は倅という強い味方がついている。老いては子に随え。彼の足を引っ張らないようにしなければと思うようになった。お寺のお盆の風景も毎年少しづつ移り変わっている。「家族」という「チーム力」で今年も乗り切りたい。


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「草を引く」 

悔しき世にひとり草引くばかりなり

投げ出してゐる外はなく夏衾

合歓咲ける郷に老母を寝かし置く

青簾いつでも死ねるなんて嘘

面影や麦の秋風渡るとき

くちなはの残像にしてよく見ゆる

夏花摘むだけの人生それもよし

本堂をわがもの顔に南風

うつせみにうつろなるものの漲れる

仏弟子の妙に世離れせし素足

陸に上りし魚のごとくに夕端居

眉を吹く風も涼しく雨走る

梅干して母は淫らに眠りけり

又もとの二人に余る飯の汗




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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。
>悔しき世にひとり草引くばかりなり
良いですねぇ。
でもお寺の庭は広くて夏は大変でしょう。

ベランダに今年初めての薔薇が、たった一輪咲きました。
暑いのであっという間に全開(笑)
今日も良い一日でありますように。
いらくさ
2012/07/29 07:01
忍法を使うて我は三尺寝  よし
yoshiyoshi
2012/07/29 07:25
いらくさ樣。
そちらのベランダの風景が見えるようになりました。(笑)

yoshiyoshi樣。
寝不足は運転に影響しますからね。運転しながら寝ている忍法?まさかね。(^^)

市堀
2012/07/30 15:01

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