再生への旅

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zoom RSS 板橋興宗著・『柔らかな心で』

<<   作成日時 : 2012/10/04 03:54   >>

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上手く言へぬ何かが秋を深めけり 玉宗


先日、越前の御誕生寺に御伺いした際に禅師樣から頂いた本がある。『柔らかな心で』と題した北国新聞社刊行の一冊である。これまで沢山の御本を戴いてきたが、告白すれば真面目に向き合って読むことが少なかった。夫人に言わせれば「なんて恩知らずな!」ということのなるのだそうだが、私にもそれなりの言い訳が用意されている。
それは外でもない、書かれている内容のどれもが私にとって、耳の痛いことばかり、まるで私の事をネタにして持論を展開しているが如くで、少なからず「気が滅入る」といった身勝手な事情に因る。謂わば妄想です。
それともうひとつの言い訳がある。
それは目の前に「板橋興宗」という実物がいるということである。「本」は不立文字の方便であり、方便に拘っていては「実物」が見えなくなる虞もないとはいえない。私は私の「生の目」「裸眼」で実物に対したい。実物に照らし出されたい。そのような虚仮の一念がある。まあ、これも妄想の類ではあるけれど・・・。

序文をご紹介しよう。

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元曹洞宗管長・御誕生寺住職 板橋興宗 『柔らかな心で』

序 感動のある人は若々しい


「失敗のあとで、人間が決まる」といわれる。人間には失敗や挫折はつきものである。挫折によってダメになる人は、世を恨み、人を罵って人生を終える。
挫折によって、驕りを挫かれ、真人間に立ち返る人もいる。人々から手のひらを返したように白眼視され、唾をかけられる。どん底に突き落とされた悔し涙で自分を洗い清め、素直な人間に生れかわる人もいる。あの挫折があったからこそ、現在の意義ある人生を送っていると、合掌する人もあるに違いない。
運、不運は人生につきまとう。運が向いたばかりにダメな人間になる人もいる。不運によって「明日」に立ち向かう勇気の出る人もいる。
過ちをおかす人もいる。過ちをおかしたい衝動を人はみな持っている。その衝動こそ「生きる」根源であると言いたい。
しかし、過ちを他人のせいにしてゴマ化そうとする人は、過ちの泥沼に埋没してしまう。過ちを素直に認めて反省する人は、その過ちが新しい出発点となる。
人には長所だけの人もいないし、欠点だけの人もいない。光りの当て方によって長所も欠点となり、欠点も長所となる。
心の豊かな人は、他人の長所が大きく見えて温かい関係を結べる。心の貧しい人は、他人の欠点だけが目につき冷たい間柄になる。
日本は敗戦という挫折を契機に大きく飛躍した。経済大国、文化国家と自負するに至った。
 しかし、日本人はほんとうに「しあわせ」になったろうか。西欧の文化を学び自由と個性の豊かさは得たが、その代わり、日本人本来の美徳を失ってはいないか。自由は「気まま」となり、個性は「身勝手」となり、その歯止めがきかない。恵まれたことが仇となって起こるトラブルが、身辺にあまりにも多い。戦後の好運が不運の影を落としつつある段階になっているように思えてならない。

野に咲く花には赤、黄、緑、紫、まだら色など、その色彩や形は多種多様である。それを好き嫌いするのは自分の側にある。花自体には問題がない。そのけじめを曖昧にしている人には、人生問題解決の糸口すら見つからない。
総括として申し上げたいことは、「目標のある人の苦労は光る」ということである。楽な生き方を願う者には感動がない。感動する心こそ「しあわせ」の源泉である。意欲のない者には努力もないし、挫折もない。あるのは退屈と、とめどもない愚痴の噴出だけである。    板橋興宗 」


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それにしても、この本もそうだが、板橋禅師という御方はつくづく人間に通じた御方であると感じ入る。本書も北国新聞に連載された75章からなる人生問答集、指南書といった内容である。読みやすく、解りやすい。私のような難解な文章ではない。一読をお勧めする。

その禅師様の御代理としてもうすぐ北海道まで飛んで行かなければならない。
「なんでわたしが・・・」と未だに愚痴を言いたくなるが、私を指名したことにも禅師樣の深い人間洞察があるに違いないと思っている次第。といっても、それはお坊さんとしての立派さ云々という話ではなく、あくまでも人間同士の関わり合いからの成り行き。

今回、札幌にお寺を建立し、落慶法要をするに合いなった住職とは、大乗寺雲水時代からの私の知己である。大乗寺雲水時代と言えば、拙ブログを御愛読の皆さんには察しがつかれるでしょうが、当時から板橋禅師に御迷惑を掛けている不肖の弟子の双璧なのである。
御代理と言えば聞こえはいいが、その実態はお役御免と引導を渡されたのかも知れない。などといった勝手な思い込みを言えるのも不肖の弟子なる所以。

いずれにしても、あれもこれも、なにからなにまで、人間への「柔らかい心」をお持ちの禅師様の真心、心配りであると感謝に堪えないでいるのではあります。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
貝独楽(べいごま)の音それなりに異なりぬ  よし
yoshiyoshi
2012/10/04 13:06
自由は「きまま」となり個性は「身勝手」となり歯止めがきかない〜教育への警鐘でもあります。読んでみたいと思い今、ネットで発注しました。ありがとうございました。

2012/10/06 18:01

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