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zoom RSS お寺の今年一年を振り返り・来し方行方

<<   作成日時 : 2012/12/18 05:01   >>

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光陰に息をひそめし冬芽かな 玉宗

今年もあと半月を切った。
師走の総選挙も落ちつく所に落ち着いたのだろう。民意というものも又、国民自身が創り出し、学んでゆくものなのだろう。人の世のまつりごとに、仏弟子である私はそれ以上のことを言挙げするつもりはない。

さて、今年のわがお寺の総括であるが、なんといっても孝宗が大学を卒業して自ら仏弟子の世界へ入ったことを先ず挙げねばならない。親としても、仏道の師匠としても、お寺はもとより、家族の人生の一つの大きな展開の機会になったことは間違いない。

当初の目標であった半年の安居修行も過ぎて、越年しようとしている。今現在、彼自身が仏道にどのような目標を持っているのか知る由もないが、少しづつ人間としても、雲水としても逞しくなりつつあるようだ。弟子の一途な精進を目の当たりにして、師匠の私も彼に恥ずかしくないようにと今年一年もなんとか精を出して勤めたつもりではあるが、生来の大まかな人間性は如何ともし難く、内心忸怩たるものがある。

それでも、弟子の仏道への参戦を契機に自坊で参禅会をはじめたのであるが、住職になって四半世紀で始めて参禅会を持つとは禅僧として怠惰の誹りを免れまい。住職暦年の半分以上は僧堂に出仕していたことを差し引いても、もっと檀信徒への関わりを積極的にしてくるべきであったと反省しきりである。

後継者の為にも、参禅会だけではなく、檀務全般に亘って次世代へ繋ぐ種まきをもっとしなければと痛感したことである。それにしても、お寺の将来というものも、混沌にして不安要素を挙げれば切りがない。無宗教時代への傾斜、葬儀不要論、檀家制度の崩壊、少子高齢化や不景気と言った社会的要素など、つらつらそのようなことを思うにつけて、後継のために盤石なものを遺してあげたいとはいいながら、何が為になるのかわからないといった諸行無常がある。私が先代から住持職を引き継いだ当時と比較しても、社会の転変は勿論、それに必然的にリンクしているお寺の環境の変化も又、10年、20年前には想像だにできなかった有り様ではないか。

畢竟、後継へ残すべき財産とは「仏法僧」の「三宝」なのではあるが、その鼎が歪になりつつある現代なのであり、その潮流は地方にあっても覿面の現実であろうと思っている次第。

嘗て、京都洛北にあった安泰寺の住職であった内山興正老師は、弟子である渡辺耕法師に住持職を禅譲するとき、「煮て食うなり、焼いて食うなり、あなたの好きなようになさい」といったようなことを告げたと伝聞している。満更虚構でもあるまい。お寺とは修行の場であり、檀信徒教化という実践の場でもある。視点を変えて言えば、それは住職が責任を以って創造していくべきものであるということであろう。というより人の世の営みとはなべてそのようなものではなかろうか。私は私の背丈に見合った世界を創り出し、そこを出たり入ったりしているのである。

そしてまた世界はお寺の為にあるのではない。世界は私の為にあるのではない、といったような事実がある。私がいてもいなくても、お寺があってもなくても、なんともない、ぶれない、有難い世界がある。そこを狙い、そっちの方を向いて生きて行こうとしている私が仏弟子であっただけであり、その実践の場がお寺であったというだけのことである。

親と雖も子の人生を生きることはできず、生きてはならない。師匠と雖も弟子の精進を歩むことはできず、歩んではならない。煮ても、焼いても喰えない領域があるのである。自己が自己に落着する以外に人生を想像する可能性が高まるとも思えないのである。

今、興禅寺、永福寺の住職としてできること、すべきこと、してはならないこと、事に当たり、ものに当たり、人に当たり、真っ直ぐに受け入れて、真っ直ぐに施していく以外にないと覚悟している。後継の為に遺すべき最初にして、最後の「宝」は、親であり、師匠である私のそのような生きざまであろうかと、相も変わらず高をくくって生きているような私なのである。

一年の総括としてはまことに情けないものになってしまったが、命を継ぐ、法を継ぐ、といったことに改めて対峙させられていることに感謝しなければならないと思っている。へこたれず、来る年も種まきをしていこう。合掌



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