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zoom RSS 今日の諸行無常・二月のこころ

<<   作成日時 : 2013/02/06 05:13   >>

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手を振つて呼べば応へる春の雲 玉宗

思えば「二月」は不思議な月である。
二三日、日数が少ないと云うだけで、なんかえらい急かされるようで、余り好きな月ではない。例年、あっという間に過ぎてしまい、存在感が薄いというより、逆にある意味際立っている。季節・時候・天文の運行に合わせた先人の知恵から編み出された暦日なのであろうが、如何にも胡散臭い、というより作為が丸見えで、そういう意味では人間らしい月ではある。

僧堂では中旬に冬安居が解制となり、山を下りる者、新しく上山してくる者の出入りが始まる。そういえば昨年の今頃は弟子の孝宗が上山する決意を固めたということで、大学生活を送っていた名古屋へ「親ばか引っ越し大作戦」をはじめていたのだった。お寺は涅槃会の月でもあり、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、法要準備や弟子の上山準備やで、例年にない慌ただしい二月であったことを思い出した。新しい旅立ちを来月に控えて、弟子も師匠も心の準備、身の準備に余念がなかったことである。早いものでもう一年が過ぎようとしている。

一般的にも、「二月」は三月ほど出会い別れを実感する月ではないだろうが、各々自分の将来を見通した不安や希望が芽生え、秘かな覚悟といったものを抱きはじめる頃でもあろうか。秘かなる故に、わくわくし、秘かなる故に心もとない、そんな日々。「二月」はどこか薄氷のように秘密めいている。私も弟子も、昨年はそんな小さな秘密の時間を共に過ごしていたのである。

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「二月」

立春のしづかな雨や四肢伸ばす

立春の漢方薬を煮詰めをり

訪へるものは夜の風良寛忌

よく見える鎮守の森の古巣かな

古巣より昼餉が見えて困るなり

本堂の裏へ廻れば残る雪

外に出ればすでに夕べや春炬燵

沖見ゆる山へ登れば涅槃西風

手を焙り残る寒さを思ひ遣る

早春の星に火熾す夜の風

鳥の巣の癪に障れる高さなり

海へ出て清々したる春の雲

かろがろと二月の膝が出たがりぬ

手を振つて呼べば近づく春の雲

はぐれ雲乗れとばかりに春立ちぬ

犬ふぐり見てゐて厭な汗をかく

海の音山の声にも春立ちぬ

海光り紅燃ゆる椿かな

立春の自転車パンクして困る

春潮の沖へ引かるゝ思ひあり

鳥が来て帰る二月の窓辺かな

春風に吹かれてよりのことなりし

鳥の巣や切手のやうな窓の家

二月早や何かが終り始まりぬ




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