再生への旅

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zoom RSS 東日本大震災忌を控えて 「若因地倒・還因地起」

<<   作成日時 : 2013/03/09 04:48   >>

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みちのくの魂きはまりておぼろなり 玉宗


東日本大震災から二年が経過しようとしている。

地震と大津波によって福島はもとより、宮城、岩手の各県には壊滅的と言っていい被害を受けた地域がまだまだ多くあることを報道によって今年もまた改めて知らされる。そして、再生の道を逞しく歩みだしている人達がいる一方で、未だに胸奥に刻まれた心の傷の悩まされている方々が多くいることも。特に福島原発の影響は時を経るに随って「帰れない故郷」「フクシマ難民」の現実を突き付けられている。日本人の誰もがフクシマを見捨てたいなどと思ってもいないだろうが、社会の現実とは個人の思いとは懸け離れた力学で被災地を押し流していくのかもしれない。誰もが希望を抱きたがっている。そして、誰もが無力感を抱いている。

遅々として進まない復興の現実に、ここに至って絶望感に苛まれている方々も多いという。政治家を責めるのも解らないではないが、震災の齎した影響は一筋縄ではいかないことを思い知らされる。生き残った者は何としてでも再生しなければならない。そうでなければ、誰が無念の内に亡くなって行った死者を供養し、冥界とこの世とを一つにすることが出来るだろう。被災者の無念、哀しみ、絶望というにも足りない無力感、命あることのやるせなさ、遺されたことへの罪悪感、そして希望というには余りに微かな陽炎のような明日への光り。死者も生者も如何にして魂の彼岸に落ち着くことができるのだろうか。

再生するにも人は何がしかの力・縁を必要とする。運命を受け容れ難いと足掻くのではなく、流れに身を任せ、私心を捨てる。そのような再生へ向かって歩み、そのこと自体に、生きていることの喜び、苦しみ、悲しみがあり、それがそのまま人生の醍醐味であり、人として生きる事の意義なのだ捉えることができるかどうか。
辛いことではあるが、人は倒れた現実の地上に足を踏ん張って起き上がるしかないのである。ときに過酷で非情な、そしてときにやすらかで有情なこの天地の間で起き上がるしかない。有難くも難儀な生きるものの宿命がある。

失敗や苦労や災いがそのまま人生の意義を否定するものではなく、人生をして人生たらしめる価値とし光るような、そのような軌跡。それは儚く、危うい存在として生きる事が、そのまま自己再生、命創造の日々であるということ証明なのではないか。そこに至って始めて人生に無駄なものは一つもないと言い得るのだろう。

運命とは切り開くものだとも云われる。他人事として言うは容易いが、震災に遭った自己の人生をどのように切り開けというのか。答は各々が自問自答し、開拓していかなければならない。生きることの自己責任は被災者も、そうでないものも同じ困難なのである。
それにしても、死んでいった者たちには切り開く人生の機会もないのである。切り開くとは生きている者達の言い草であるには違いない。然し、死者が語らなかった運命に対する無念を代弁するのも生き残った者の為すべきことではないか。否、代弁するだけではなく、死者の魂を我が肉とし、わが血とし、わが心とし、わが彼岸とし、わが命とする。それこそが命生き継いだもの等のもうひとつ宿命なのかもしれない。

生き残った者も何れは誰ひとりの例外もなく黄泉に赴く。生死の運命に翻弄され、嗟嘆し、切り開き、格闘し、恩讐の彼方に至るのも、命生き、生かされている諸行無常の現実なればこそである。復興の柱、それは目をそむけたくなる、この現実が教えている諸行無常そのものでなければならない。いのちは生きることと共に死ぬことも学ばなければならない。わたくし無く生き続け、わたくし無く死ぬること。それ意外に再生、復興の契機はないのではなかろうか。

なにがあってもなくても、ゆたかにして深い、つながりながらも、私かぎりの、支えられながらも絶対的な、わたしのいのちを生きて行く。それ以外の何を人生に求めれば足りるというのだろうか、私には分からないのである。

被災地で格闘されている皆さんに、そのような思いをも込めて今年も又能登の地からエールを送りたい。合掌







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