再生への旅

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zoom RSS 拝啓、良寛樣 「ひとり游び」

<<   作成日時 : 2013/05/02 04:42   >>

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しばらくは言はれしままにチューリップ 玉宗
        

よの中に交らぬとにはあらねども
   ひとり游びぞ我れはまされる 良寛


拝啓、良寛樣。
五月になりましたが、例年より寒い日が続いています。
さて、生きている現実、事実を尊重するにやぶさかではないのですが、正直なところ、以前それらは何か物足りなかったり、胡散臭かったり、或いは何か余分だったりしたものでした。今でも多少そんな思いがなくはないのですが、事に触れてあるがままを受け入れようとしている自分がいます。

そのような私の俳句遊びとは、自己完結的で、頗る個人的、ひとりあそびと言ってよい代物です。ものや事を見て感じたり考えたり、感動や言葉を思い出したり忘れたり、捻くりだしたり削ったり、時間を置いて見直して捨てたり拾ったり、要するになにかが定型に心地よく収まるを待つ、狙うという文芸のいろは、ものを作る作業を厭かずに繰り返しているような始末です。

そこには自然や人生と交わっている、交わろうとしている私がいることです。それは言い方を変えれば私が私自身と交わる、折り合いを着けようとしているようにも見えなくもありません。それは今のところ何ものにも代えられない私のちょっとした楽しみ、息継ぎにして息抜きでもあり、そしてやはりちょっとした義務の様なものでもあります。そのような方法で自然や人生と交感できる詩人でありたいと願っており、そのような類の自然人、仏弟子でありたいと願っているのです。

換言するならば、生きている私とはそのような類の寂しがりやで、有態に言えばナマな人間ではなく自然や人生の自然らしさが相手であるということのようです。私がいてもいなくてもなんともない、自由な、あるがままの、選り好みの無い世界がそこには展開しており、そのような世界で生きているわたし、そのようなかけがえのない私のまなざし、そのように生かされている私ひとりの世界を大事にしたいという思いが強くあります。生きている実感、そのものというより、それを見つけ出し、確認する。それがそのまま私の生きる力となる。そんな私の俳句を作りつづけたいと思っています。

良寛さまは出家された後玉島円通寺で十数年修行されました。
修行時代の良寛和尚の光りと影は殆んど知られていませんが、その月日とは仏弟子として仏法の羊水に揺られていた月日でもありましょう。その後大愚良寛は送行し韜晦します。一人での修行がはじまったということでした。郷里の出雲崎に戻ったことも漂泊韜晦という自己実現の本質には変わりはなく。それはひとり遊びにいのちを任せた人間が山里に現れたり隠れたりしたということだった筈です。

その後も縁に従って何度か棲家を移しておられます。こだわりのない、あるがままの世界に身を任せた良寛さま。宗門とか教条とか、なんだかんだと人に披瀝するような肩書もセクトも抜け落ち、立身出世も追い求めず、寺も持たず、食べる分だけの米があれば満足し、人を羨むこともなく、墨がなくなれば空に向って筆を走らせ、腹がすきもの憂ければ炉辺にうまく寝転び、子供らと時を忘れて遊び、民の飢饉災難には涙し、来るものは拒まず去るものは追わず、自在な偽りのない生き様。

その歌その書その姿は、名も無く貧しい人々をして心癒し、寛がせ、愛されたのでした。ほとけまかせの世界。良寛さまはそのような世界にひとり遊びをされていたのだと思っています。私という末法の比丘が慕い憧れる所以であります。合掌。


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「五月来る」

勿忘草かつて奪ひし汝が手首

勿忘草愛に溺れしほそみあり

勿忘草へ瀕死の中の手が伸びる

花はみな空へ捧げて五月来る

花榠樝空へ掲げし小さき手

蝶となり海を渡らむ花菜風

満を持し芽吹きそめたる牡丹かな

羊歯萌ゆる暗がりに来て豹変す

水芭蕉そつぽ向きつゝ寄り添ひて

陽炎の向かうに手紙置いて来る

朧夜の街の灯りや煮え滾る

梨の花空気の美味い日なりけり

寄り添へば心通じて木瓜の花






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