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zoom RSS ふるさと紀行・七十句

<<   作成日時 : 2013/05/28 00:55   >>

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ふるさとの山惜しみなく滴れり 玉宗


『ふるさと紀行70句』


函館上空五千フイートの昼寝覚
着陸す北の大地の蒲公英黄
アカシアの雨に錆びゆく鉄の街
初夏をあかがね色の新しき山
山桜湖面へ光り差し出して
穴出でし熊の跡なる葎とか
姫鱒や川瀬を急ぐ水の音
白樺は森の歩哨として涼し
じやがいもを植ゆる大地の果てまでも
鈴蘭の風鳴り止まぬ湖畔かな
熊穴を出でて賑はふ酒場かな


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帰らざる白鳥の首汚れをり
くろがねの水面へなほも緑さし
夏霧の降り注ぎくる楢林
夕焼けを海へ流せる大裾野
雪渓の見ゆる窓辺の汽車に乗り
駒ケ嶺の裾ながながと夏に入る
万緑の中のホームに降ろさるゝ
喉渇く松風町の片かげり
啄木の浜に来て泣く南風
風涼し青柳町の停車場の
牛ねまるかたちの山の夕焼けかな
湯の宿の着流し姿朝曇
夏空の鴎の腋のさびしさよ


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いたどりの花高々とわが生地
ふるさとの山惜しみなく滴れり
胸に迫る涼しき星に旅枕
海霧の底ひに夏を漁れる
西日受く地べたに網を繕へる
あかときの鋼の海へ昆布漁
昆布干す浜へ出て聞く子守唄
蕗の葉も赤子包めるほどとなり
若葉していつもどこかに潮の香の
母よ母よじやがいもの花咲くたびに


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沖を恋ふはまなすの花父なき世
叔父といふ父とはちがふ鰻かな
叔母といふ母とはちがふ浮き巣かな
仏壇のメロンを分けてもらひけり
どこまでも夏野どこまでもふるさと
生きてあれば藤垂れ空のただ青し
かつて遊びし磯の礁の小さきこと
ピリカなす夏の渚の小石かな
漁火のひとつひとつの涼しさよ
烏賊釣りの父の漁火今もなほ


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夏蓬潮湿りせし風に揺れ
磯海苔のげんこつむすび手に余り
虎杖を噛めばすつぱき昔あり
かたくりの花に雨降る帰郷かな
ザリガニを釣りたる川も細みけり
われもまた蝦夷の裔ぞ鮭捌く
ハマナスや我に出家の曳かれ唄
鰊雲るピリカ女の子の深まなざし
漁継ぎし従兄の黒き日焼け顔
べこ餅の母の味して夏かなし


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貧しくとも母はゆたかにダリア咲く
馬鈴薯の花咲くかぎり土の愛
海光る浜豌豆の花影に
帰らざる月日の青嶺仰ぐのみ
呼ばれたる如くに青嶺振り返る
夏山の木霊となりて父は死んだか
ふるさとに留む由なき素足かな
泊めてもらふ本家の厚き夏蒲団
何をして生きてきたかと南風
卒塔婆朽ち土の色して夕凪す
蝦夷松の青松笠を荷の中に
衣更へて旅人となるかなしさよ
虹の向かうの故郷に何度生きたやら
夏潮へ大きく曲がる渚かな
夕焼けへ消ゑゆく永久の訣れかな


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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
お帰りなさい。お疲れになったことでしょう。ずっと長い間おいでにならなかった気がします。故郷での御句に魅かれます。ふるさとの山惜しみなく滴れり 呼ばれたる如くに青嶺振り返る 虎杖を噛めばすつぱき昔あり 夏空の鴎の腋のさびしさよ ありがとうございました。



2013/05/28 18:12

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