再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 遺偈

<<   作成日時 : 2013/06/03 02:03   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


万緑に一村埋もれゐたりけり 玉宗

滋賀の朽木というところに来ている。
輪島市門前町出身の御住職の葬儀に夫人と共に参列している。御住職の実家は興禅寺の檀家であり、檀家の菩提寺の住職の誼として席を連ねている。能登半島地震に被災した折なども心配して下さり、大変お世話になっていた。
故人は宗門に於いても宗師家として名を為した御方であり、檀信徒の篤い信頼を得て居られる。ご詠歌の師範でもあり、通夜式では講員の皆さんがお弔いの和讃などを奉詠されていた。

それにしても朽木というところはえらい山奥で、鹿や猿がよく出没するらしい。能登とは違った趣の田舎らしさに感動している。鯖街道とか、塩街道が通う歴史のある山奥という感じが実にいい。
このような土地で暮らすには昔も今も苦労の多いことであろうが、お寺を精神的よりどころとして地域がまとまって来たという歴史もまた今に引き継がれてきているようだった。

地元産業の衰退変遷があるようだが、お寺も後継者が少なくなり兼務という形を取らざるを得なくなっているのだという。その辺は能登も同様である。いつもまでそのような三宝維持が守られていくのだろうとわが身と合わせて考えさせられることが多い。

画像


本堂には御住職の「遺偈」が掲げられていた。お坊さんの遺言である。

朝念暮念  
八十八年
大麻山頭
携隻履旋


「大麻山」とはお寺の山号である。生涯を三宝護持に尽くし、死して尚、その志の一端を現世に刻んで行く決意、誓願を述べているものと受け止めたい。穏やかで、綿密で、度量が広く、且つ紳士だった故人の面影が偲ばれる。明日は門前からの参拝者も駆け付けることであろう。夫人も私もご恩の一端なりともお返ししなければと思いをあらたにしているのである。玉宗 九拝

画像



「滋賀県朽木村夜伽」

万緑に一村埋もれゐたりけり

棺桶を鎖せば沢の河鹿鳴き

末席に連なりゐたる身の暑さ

彼の岸へ涼しく渡る仏かな

羅の艶ます遺族なりにけり

夏足袋を穿いて仏の顔覗く

遺弟のひときは光る玉の汗

よく泣いて死者を送れば星涼し

賑やかな夜伽となりぬ蚊遣香

青葉木菟死者に添ひ寝をしてをれば

あけぼのや深山鶯老いを鳴く

死にたれば鉦や太鼓や雲の峰





ランキング応援クリック
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 禅・坐禅へ

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人間・いのちへ

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
遺偈 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる