再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 俳句実作の現場・俳句の楽しみとは?

<<   作成日時 : 2013/07/19 05:04   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


桔梗や折り目正しき妻の朝 玉宗

「栴檀」誌上で課題句の選者をさせて戴いている。例えば以下のような塩梅。

課題句評(青田)

特選


放鳥の朱鷺舞ひ下りる青田かな  石欂正徳
 日本の原風景のひとつ。放鳥であるのがもの哀しくもある。私見を入れず言い過ぎないのがいい。云わずして感じ、イメージできるものが伝わる。写生のちからであろう。省略の妙にして無駄がない。見るべきものを見て余念がない。定型への信頼がある。

青田風仮面ライダー握手会    菅原晋也
 社会性、風刺、俳諧味、新しみがある。これも現代日本の風景である。季語が再生する新鮮さ。現場で感じている作者の目、こころがある。


秀逸


青田風通して父の忌を修す    後藤和朗
類相があるかもしれないが、わるくはない。

三成の陣の前なる青田波     服部智恵
もののふの昔と繋がる季語の現場。諸行無常に感じ入る一瞬。

田の神は丸い石ころ青田道    桑添礼子
石がほとけとなる瑞穂の国の原風景。

二番子の雲間に遊ぶ青田風    土川照恵
二番子がいい。青田も稲の花の咲くころ。帰心が募る空模様に相応しい。

筑波山沖に青田の波うてり    山内奈保美
原句は「筑波山仰ぎ」。「波うてり」がいい。

青田風土手に子牛を連れ出せば  林やよい
子牛がいい。青田の海原が見えて来る。

画像


隔月の投句ではあるが、毎回100句前後の句に接している。比較的初心の方が多いように見受けられる。選句をしながら俳句の楽しみ、醍醐味とはなんだろうかと思ったりする。正確には俳句実作の楽しみとでもいうべきもの。ものつくりはなんでも生みの苦しみがあり、それが楽しみと表裏一体であることが多い。結果より過程の充実を優先させたい。誰に選ばれたとか、賞を貰ったとか、褒められたとか貶されたとか、そんなことはおまけに過ぎない。確かにオマケも嬉しいものではあるが、なにごとも本末転倒は行き詰る。

優先、充実すべきは実作の現場である。表現の世界の過程・今とは想像力の現場でもあろう。
それは言葉という感性を磨くことは申すまでもなく、五感六感を磨く現場でもある。その作業自体が俳句に限らず、文芸の楽しみではなかろうかと思っている。想像力の翼を広げ、詩の世界に遊べばいいのである。文弱の徒には文弱の徒としての使命がある。

定型詩故にかたちは大事であり、疎かには出来ないが、それは型に嵌った感じ方、見方をしろということではなかろう。先ず、何に心が動いたのかをこそはっきりさせなければならない。おのれの感性を信じる事だ。それこそが表現者の優先順位であろう。初心であることを遠慮する事はない。というより感性に初心も晩心もないだろう。

初心の頃はひとりよがりや独善を非難されることを恐れてはいけない。表現者とはひとりよがり的な存在でもある。ただ、心掛けたいことは、基本を学ぶことであり、基本を学ぶには、まっさらで素直な心、謙虚な姿勢も欠かせない。そのような初心を忘れない事だ。なぜなら、表現とは客観的な地平に晒される宿命を持っている。それに耐え得る普遍性と流行を備えてこそ、作品として評価される。作品は作者の手を離れてひとり歩きするものだが、それは作者以外の読み手に巡り合うことを作品自体が望んでいるからだ。定型はいつでもそんな初な、新鮮な詩心、読み手を待っている。俳句作品もまた私のものであって私のものではない。ある意味公的な世界での出会いである。基本的なものが欠かせない所以でもあろう。

画像


「三界」

三界に家なき妻の初茄子

朝茄子夕べ胡瓜を捥ぐ暮し

葉隠れに眠る西瓜の背中かな

宵の目に飛び込んでくる胡瓜かな

水呑むが如くにトマト啜りをり

金輪際トマト嫌ひな嫁貰ふ

土を出て土より暗し茗荷の子

海に屍浜昼顔は耳澄まし

花茗荷光り出でたる骨かとも

青紫蘇の畝に赤紫蘇まぎれ込み

ひるがほの甲斐なき花のうつくしき

枝豆を引き抜く母の腰力

誰待つとなけれど宵の花と咲き

茅舎忌や露の力のあさぼらけ




ランキング応援クリック
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 禅・坐禅へ

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人間・いのちへ

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
俳句実作の現場・俳句の楽しみとは? 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる