再生への旅

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zoom RSS 解夏の風・修行の眼目

<<   作成日時 : 2013/07/30 04:49   >>

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解夏の風懐にして山下りる 玉宗

先日、とある宗門の専門僧堂で修行僧の暴力事件があった。私がこの世界に入ってからでも両手に余る同様な騒ぎが繰り返されて来た。以下は私という、落ちこぼれ坊さんの私見である。

曹洞宗の大本山である永平寺、總持寺には常時百人から二百人の修行僧が安居している。日本各地にある地方僧堂の場合は十人から二十人前後であろう。修行僧が五人そろえば叢林と云われる。一人の僧堂というのはあり得ない。

「大衆」という言葉がある。共に僧堂生活をしている雲水のことだが、一般的には「大衆」を「たいしゅう」と読むのだろう。「大衆食堂」「大衆化」「大衆文学」とかいった具合だ。お坊さんの世界では「だいしゅ」というのが習いである。「大衆の威神力(いじんりき)」とか「清浄大海衆(しょうじょうだいかいしゅ)」という言葉もある。門前の町民は「大衆さん、だいしゅさん」と呼んで下さる。

住職資格の条件ということから云えば、学歴によって僧堂で勤めなければならない年季が決まっている。半年から一年、二年、三年と様々である。本人が居たければ原則的には何年いてもいいのだ。「一生不離叢林」という言葉もある。何れにしても、僧堂・叢林に安居しているということは自律他律の枠組みで自在に生きる、解脱への道を目指している筈である。

そのような自己を律する道行には「まなざし」が必要であろう。自律という内からの「まなざし」と他律という外からの「まなざし」。僧堂に長く留まっているから優れている訳でもない。一人での行が劣っている筈もない。どちらにしても自己の真相を晦まさないことだ。そのためには自己を俯瞰し、且つ掘り下げる「まなざし」がなくてはならない。修行の眼目は年季を重ね権威を纏うことではない。色眼鏡を付け替えることではない。実相を映し、妄想を離れた「まなざし」、それもまた自律他律の中で育まれ、磨かれていくものであろう。

人は近視眼的になりやすく、いつの間のか自己という偶像を作り上げてしまう。それは自他を解脱し、自在に生きる道とは程遠い自縛の道である。それは自己を晦まし他己を晦ます。安居修行、大衆の和合、自律他律、ともに「仏法」という「地に足の着いた遥かなまなざし」を学ぶ機縁となるものでなければならない。真の自己の確立であり、数や年季を頼んだ我見を逞しくするものではない。

指導する方もされる方もお互いに初心の中の弁道であることを片時も忘れてはならない。暴力沙汰なども又、仏弟子にとっては二重の咎である。私はそう思っている。


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「土用波」

死にたがる母が見てゐた土用波

叫ぶ吾に波の応ふる土用かな

夥しき空蝉縋る木々の挽歌

わが庵は米の虫さへ月を愛づ

水を売る女さびしき祭かな

かなかなや消ゑ入りさうなきのふけふ

蝉しぐれ身ぬちに洞のやうなもの

うづくまる記憶のかたち蝉の殻

ががんぼの慌てふためく夜の障子








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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
その「とある専門僧堂」に私、月1で坐禅会に参加しているんです。住職様は「もっと厳しくすべきだったのかな」と漏らしておられました。自主性を重んじる気風だったようですが...
難しいものですね。
くろちゃん
2013/07/30 12:02
ブログ内容とは関係ないですが、、、豪雨の被害は大丈夫でしょうか?石川県がひどかったとニュースで見て、心配しています。
自然災害はいつ、やってくるかわかりませんから、本当に恐ろしいです。しかも、一瞬の出来事ですからねぇ…。
10年ほど前に実家で土砂崩れの恐怖に遭ってからは(といっても、自宅の壁ギリギリで土砂は止まり、難を逃れましたが…)、他人事と思えず、各地の友達等に安否確認をせずにはいられません。
しぃ
2013/07/30 20:41
くろちゃん樣。
人が集まって何かをしようとすると、集団心理みたいなものが首を擡げます。僧堂に於いてもそのようなバイアスが働くようですが、問題になる前に対応できる組織維持管理のノウハウや指導者の存在が欠かせないのでしょうね。まあ、お釈迦様の時代からあった人間の現場なのではないでしょうか。あきらめないで参禅してくださいね。合掌・

しぃ樣。
お見舞いありがとうございます。
能登の方は比較的被害も少なかったようです。
加賀平野に猛烈な雨が降ったようですね。
最近の気象には驚くばかりです。しぃさんもお気をつけて。合掌。

市堀
2013/07/31 07:20

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