再生への旅

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zoom RSS こんな生き方もあるかな・その4「負けるが勝ち的な・・」

<<   作成日時 : 2013/09/07 02:35   >>

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コスモスに吹く風だれも咎めざる 玉宗

先日、誰やらが新聞紙上で日本人は負け方を忘れてしまった、みたいなことを書いていた。
戦後、世界に例を見ないほどの復興を成し遂げたのは、日本の、その見事な負けっぷりがあったからである。現在の日本の混迷は「負け方を忘れた社会の驕り」であり、その破綻なのであるというもの。
戦後史的には様々な要素が検証されているのだろうが、そこには諺にも「負けて勝つ」といったことが言われる日本の精神文化の土壌はなかったのだろうか。

世に「負け組・勝ち組」といった厭な言葉がある。現実は「食べていくための熾烈な戦場」であるという一面は否定できないが、然し、私の経験則から言うならば、確かに現実は甘くはない。然し、本人が思うほど辛くもない。現実とは何か?それは人間である。人間は甘くもない。そして辛くもない。私の匙加減ひとつで甘くもなり、辛くもなる塩梅のものである。そのような代物と関係しあって行くこと。それが人生なのであろうし、人の世の生活なのであろうと思っている。要するに私の生き方、関わり方が試されているのである。

そこには「勝ち負け」で評価され、括られる以前の、又はそれらを越えた人生、人間社会の真相がありはしないか。様々な能力の差があるのが社会の社会たる所以である。できるもの、できないものが厳然とあるのも現実である。競争することで「より多くの利益」を得ることが出来るといった「進歩観」がある。そのような相対的世界で生きていかざるを得ない人間の宿命がある。

その一方で、「それでいいのか?!」という、弱き者、できない者、負けた者の言い分がある。生れ落ち、死ぬという条件に変わりのない「いのち」の絶対性からして、生きている間の「割り切れなさ・片手落ち・依怙贔屓・不平等・謂れのなさ」といったものがある。それらは一般的に愚痴といって一笑に付されることが多い。

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先にいのちの生と死の条件はだれもが平等であるといった。そうであるならば生前の「勝ち」とは如何なる筋合いのものなのか?生前の「負け」とは如何なる筋合いのものなのか?点検してみるのも無駄ではあるまい。愚痴で一生を過ごすというのも極めて口惜しいことだ。少なくとも私の半生は、そのように私に問いかけている。

だいたいが「勝った」と有頂天になったとして、その「結果」はつぎの因縁へと連綿と引き継がれてゆく。いのちは常に反応し続けていく。行かねばならない。その実相は綱渡りに様なものであり、且つ誤魔化しの利かない世界である。そしてさらに考慮しなければならないのは、他に変わることが出来ないという「いのちの絶対性である故の」可能性を生きている事実である。そのような地平では「勝ち負け」は「あざなえる縄の如き様相」を呈している。

畢竟、生きるとは「勝ち負け」の問題外の話しである。勝ち負けの、欲望の世界にいながらも、それを越えた厳然たるいのち満足な領域で生きている事実がある。それをこそ人生の宝とし、一大事とする。欲望の世界で見事に負けて見せるのも、徒や疎かならないこころざしがあるというものだ。世間でも「人事を尽くして天命を俟つ」という。仏道的にはそれは至極当然なことである。誤魔化しが利かない諸行無常の世界だからこそ、負けても負けではないのであり、勝っても勝ちではないのである。常に変化し、移り変わって已まない人の世。

「負けて勝つ」それは負け犬の遠吠えではなく、今という、諸行無常の深さ、いのちそのものの声なき声とでも言うべきものだ。負けて見えるもの、負けて聞こえてくる人生の実相がある。それは勝って見えてくる世界より余程神に近い。それを聞くことのできる耳、見ることのできる目を持ちたいものだ。


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「鶏頭」

鶏頭の咲くといふより怒るなり

鬼やんま勢ひ余り引き返す

からすみや酔へば優しき父なりき

とろろ汁泥を啜るに似たりけり

沖つより月のさざなみ衣被

外に出れば敗者のごとし月夜茸

朝顔の花影にゐて蕎麦を喰ふ

草は穂にいつしか父に似てきたる

大方は行きずりの世の星流れ

どぶろくや酔うてけものの息を吐く










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