再生への旅

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zoom RSS 休すれば通ず

<<   作成日時 : 2014/01/17 07:17   >>

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麦出づる雪下を思ひ歩むなり 玉宗


一般的に「窮すれば通ず」と言われる諺の意味は「事態が行き詰まって困りきると、かえって思いがけない活路が開けてくるものである」というもの。どことなく運を天に任せるようなところがあるが、自己を投げ出す、執着を離れるという仏法の視点からも大いに肯けるところがある。窮した反動で世界が開けることは世間的にもよく聞く話し。但し、仏法的には「窮すれば」ではなく、「休すれば」としたい。「窮する」つまり「行き詰る」ことのない生き方を志している仏道からすれば、「窮して通ずる」というのも情けない話ではある。「窮する」以前の心術といったものがあるのではないか。それが「休する」である。

何を「休する」のか?

言うまでもなく「我執」である。ものを見、聞くにつけて人間は「事実そのもの」を受け入れることが出来ない。「私」という「屈折」を経てしまう癖から抜け出せない。それが迷いや間違いの元ではないのか。なにかにつけて理屈や説明や言い訳を用意し、或いは後付けしなければ気が済まない厄介な存在者である。一体であることだけでは落着せず、なにかにつけて線引したがる癖がある。ああでもない、こうでもない。ああしたい、こうしたい、俺が、お前が、等々、「思い」に引き摺られ、引き摺り、いつの間にか「宙に浮いた」ような世界を創り上げ、挙句の果てに、右往左往、四苦八苦の煩悩の炎が絶える事が無い。

仏道はそれを「休しないか」というのである。

すべての物事は私の「思い」や「欲望」に関わりなく事実として成り立っている。つまり「通じて」いる。なるようにしかならない。然し、そこに私の見解が割り込んでくる。人間が万物の霊長にして、厄介な動物である所以。仏法はそれでいいのかと諭しているのである。それならば「思い」を「休し」することで不都合はないのかと心配されるだろう。「思い」「考える」という能力が人の世の文化文明社会を繁栄させてきたのではないのかと。
確かにそうであり、「考えるな」とか「思うな」と言っているのではない。

「休する」とは私の煩悩や思いとの「間の取り方」を言っているのである。

人間社会の悲劇や悲惨さは、「思い」で塗り固められ、「思い」で落書きされたが如き有り様ではないのかと言いたい。余白がない。人間の「思い」万能主義が悲劇のもとではないのか。「思い」という特権との「間の取り方」を間違ったことによる凶器と化した現代の窮状ではないのか。「思い」に執着して飽きない人間。仏法はそれでいいのかと言っているのである。

「休する」ことによって見えてくる人生の真相、物事の実相があるだろう。「通じている」世界に人間はもっと謙虚になるべきではなかろうか。

       (以前UPした記事を加筆訂正して再掲しました。市堀)


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「うすごほり」

隙間風妻追ひかけて来たるかと

星屑の身とな思ひそ霜の声

銭湯のにぎはふ海女の女正月

未来などとつくに暮れて寒鴉

枯蓮や現場はいつも惨たりし

蝋梅においらくの艶ありにけり

日出づる国の律儀さうすごほり

たゝなはる山をそびらに葱を抜く

ここもまた最果ての地冬菫

零れ来る月日の中や日向ぼこ





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
n「窮」ではなく「休」、深いものを感じます。それでいて一瞬にして思い当たる話です。
我執を離れるということですね。
 宮本常一の本で読んだ話をひとつ。江戸時代水争いで、村どおしで殺し会いになることもあったのですが、ある所での解決方法。
 対立するA村の言い分をB村が聞く集会をもつ。その時、B村の人は一切発言できない、ただ聞くだけ。次の集会はA、Bの立場を入れ替えでやる。大事なのは聞き手は、聞くだけ、けっして発言できないことです。
この集会を何回も何十回もやると二つの村の妥協点が出てくるそうです。いや出てくるまで集会をつづけるということです。
 これは我執を離れる=休むに通じる話ではないでしょうか。

屋形船
2014/01/17 08:27
今晩は素晴らしいです!体を労ってくださいね!
たろうくん
2014/01/17 19:14

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