再生への旅

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zoom RSS 今日の以心伝心・死して何遺す?!

<<   作成日時 : 2014/02/07 19:32   >>

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東風吹くと翁が立てる礁あり 玉宗

寒行托鉢も終わり、立春も過ぎた。
だらだらと自分を甘やかして日々を過ごしている。ブログの更新も途絶えがち。お寺の掲示板といった思いで始めたことではあるが、思えば誰に頼まれた訳でもない手慰みごとである。能登半島地震に被災したの機に、自己再生の歩みの一助になればとの思いもあったが、被災して6年目、再建もなり、ブログ「再生への旅」もその役割を終えたの感がある。

元来、引き籠りがちな人間である。人に知られず生きていくことを本懐とし、潔さを感じ、憧れを抱いているようなところもある。弟子ももうすぐ僧堂安居3年目の春を迎えようとしている。彼の為にも物心両面に亘ったなにがしかのものを遺しておかねばならない。そう思いつつも日々、自分の世界に感けている始末。こんな親や師匠を持った弟子こそ不幸であろう。なんとかせねばと思いつつ、その挙句は実に御粗末な日々の更新ではある。

今月は涅槃月とも呼ばれる、釈尊涅槃に因んだ行持が控えている。「涅槃」といえば釈尊の死のことでもあり、煩悩の消えたなんともない、実相世界のことでもある。釈尊は弟子の為にその世界を諭した言葉・経文を遺された。すべてのお経は釈尊の遺言を敷衍し演繹し、帰納したものと捉えても間違いではなかろう。

私はどれだけのものを弟子や寺族や檀家や有縁無縁に遺すことになるのだろう。負の遺産ということもある。なにもしないに越したことはないといった真実もあるが、余計なことばかりしたがるのが人間の相場である。人間の癖とは中々矯正し難いものがある。私自身もまたそれを痛感しながらの人生であると言ってよい。未だ死にきれてない観がある。そんな個人的わだかまりが胸の内にあることを告白しておこう。

死して何遺す。

そんな心配をするよりも、生きてどれほど死にきれることができるだろうかと慮るに越したことはなさそうである。まさに極まりなき初心の弁道である。


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「料峭」

料峭やこころもとなき影法師

早春の風に用事を使はする

古巣見え父がときどきゐなくなる

本堂の裏に居残る雪の山

熊穴を出でて北方領土霞む

子を産まぬ姉の腰細春寒し

来た道を戻るうれしさ薄氷

謂はれなき恋にやつれし猫来たる

なほ奥に夜の闇あり鬼は外

鳥の巣の癪に障れる高さにて

托鉢の笠に重たき牡丹雪


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「良寛忌」

菠薐草妻を娶りし苦みあり

春が来る躊躇ひつゝも小走りに

雪解けて五体軋ませゐたりけり

佐保姫の二の足を踏む寒さかな

眼荒れ雪に濯ぐや良寛忌

籠りたる髭剃る後架の余寒かな

裏山の風のさざなみ蕗の薹

せせらぎと光りをきそひ猫柳

恋猫の憚りながら隠し得ず

海峡の風を捉へし藪椿


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「ものの芽」

去りがての雨脚見ゆるもの芽かな

むらぎものこころにつどふ春日かな

ポケツトはいつも空つぽ春立ちぬ

せせらぎの音する方へ蕗の薹

せせらぎを叩いて水菜洗ひをり

日を呑んでふくらんでゐる猫柳

初めての夜は何処ぞヒヤシンス

死ぬる世を笑つて生きてフリージア

仏弟子の髭ばうばうと魚は氷に

雪解けてしまへり後悔先立ちぬ






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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
寒行托鉢今年も無事に成し遂げられましたことおめでとうございます。今日こちらは「大雪」という雪が降っていますが、そちらの方にしてみればこのために外に出る予定などが取りやめになるなど笑われそうです。今ベランダのフェンスに7センチ(計ってきました)の雪が積もっています。
花てぼ
2014/02/08 14:00
笑いごっちゃありません。さっきの所23センチになっています。
朝からしっきりなしに(芥川龍之介)降っています。
花てぼ
2014/02/08 16:05
花てぼ様。
そちらは、数十年ぶりの大雪だそうですよ。春の雪は意外と重たいものです。気を付けてくださいね。合掌。
市堀
2014/02/08 18:53

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