再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS やっちまったよ・その73「馬子にも衣装?!」

<<   作成日時 : 2014/03/19 21:33   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


生きながら死ねよと春の山奥へ 玉宗

今回の本山への拝登であるが、我等親子にとっては記念すべき日となった。

ご親化で御留守だった禅師様にお会いする事は出来なかったが、監院老師を拝問することもできた。弟子の所作進退もきれいだったし、精進料理もおいしく戴けたし、お天気もよかったし、いうことなかった。

画像


画像


と言いたいところだが、本番を明日に控えて寝に着いた布団の中でとんでもないことが起きた。
弟子は一人「瑞世師寮」という別棟の部屋を宛がわれもう寝ている筈である。
私と夫人は「随行師寮」で宿泊する。能登よりも暖かい鶴見の夜にうつらうつらしはじめたところ、先ず、横で寝ている夫人が急に足が引き攣ったといって泣きだした。以前にも何度か起きたが「こむら返り」っていうんですか、あれである。

「痛い!痛い!」

身も世もあらぬ態でもがき苦しんでいる。さすってあげようとすると「いらんことせんといて!」と手を払いのけられる始末。

「どないせえちゅうねん・・。おまえ、運動不足だからじゃないか・・・、旅の所為かな、駅のホームってのも結構歩くしね。精進料理ばかりの食事の偏りからくるビタミン不足かな・・・、それとも持病の静脈瘤のせいかな・・・、なんだべなあ・・」

「うるさい!黙ってて!」

「・・・・」

このような時間が10分ほど続いたのであるが、それも収まって、何事も無かったように夫人は寝についた。狐に抓まれた思いであったが、まあなんともない様子に安堵して私も寝についた次第である。


画像


画像



で、うとうとしはじめて、俄かに脳裏を掠めるものがあった。

「あれ、俺って、法要で着る白衣持って来たっけ?」

大きな法要では基本的に「白衣」である。汚したくないので弟子も私も道中は色衣で行こうということで、予定通り鼠色のものを着て總持寺までやって来たのである。それもさっきまで着ていた。白衣は法衣鞄の中に夫人がちゃんと風呂敷に包んで入れて置いてくれた筈である。旅に出るときはいつも夫人がそのように、きちんと、用意万端揃えてくれている。今回もそうだった筈である。と、思いこんで疑いもせずさっきまで生きていた。が、最終点検を私がした時の様子を思い出しても、白衣を包んだ情景が浮かんでこない。実は、今回、夫人は京都で私用があって一日早くお寺を出たのである。用事を済ませて本山で落ち合うことにしていた。

んでもって、私と弟子は旅の最終準備を自己責任でしなければならなかったのであるが、私は夫人の準備でもって最終チェックとしていた。夫人の云うには、「二人とも白衣は自分で用意し入れてくださいね」と、再三再四念を押したそうである。私にしてみれば記憶にない。押し問答の末私の落度であることを避けられなかった。

「ということは、倅の白衣も入っていないということかい?!」

「え〜、まさか!どうしよう・・・。」

最悪の場合、私は法要を遠慮してもいいのだが、主役である弟子に不如法な着物でさせる訳にもいかない。俄かに、心臓に不整脈を感じ、息苦しくなってきた。

「おいおい。これは大変な、へまをやっちまったね。寝てる場合じゃないよ・・・」

画像


画像


さっそく飛び起きてホテルのフロントに当たる「總受付」の内線を掛けて事情を告げた。
夜分を過ぎていたが、なんとか山内で手配してみるということになった。弟子にも確認を取ってくれると言う。有難い。然し、いつまでたっても返事がない。夜も遅いので朝になって確認するのだろうと諦めた。
寝る前までの浮かれ気分からこの世の終わり的などん底気分である。まんじりとしないまま朝まで寝ずに過ごしてしまった。夫人は寝ていたが・・。

で、四半起床後、間もなく係の雲水さんが部屋にやってきた。
手には夏ものではあるが、白衣を携えている。弟子に確認をとったところ、ちゃんと自分のものを持ってきていたそうである。それを聞いて私も夫人もへなへなと安心したことである。

「お父さんより、よほどしっかりしているわね。ちゃんと自分の事は自分で出来るのよ。」

「まあ、わしは反面教師っつうことで、いいんじゃなかろうかね。あははは・・」

つくづく弟子の一人前さ加減に感心した師匠であった。(ーー)

画像




画像



「囀り」

囀りを聞くといふより浴びてをり

囀りのなほ落ちつかぬその日かな

古巣より一番星の飛び出せり

茹蛸を供へて海女の春祭り

托鉢の遠眼差しや鳥帰る

芽柳のさざ波立ちて風を呼び

春風に待たせてみたき女あり

別嬪は少し退屈亀の鳴く

ポケツトの中は空つぽ草青む

畑にて手紙受け取る彼岸かな





ランキング応援クリック
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 禅・坐禅へ

にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人間・いのちへ

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
やっちまったよ・その73「馬子にも衣装?!」 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる