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zoom RSS やっちまったよ・その72「畑作務頓挫の心」

<<   作成日時 : 2014/04/01 04:45   >>

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昼の酒亀の鳴くとも可なりけり 玉宗

石の上にも三年目の花、などと弟子に希望を抱いた師匠の私であったが、三年前に始めたお寺の裏庭での畑作務を今春から取り止めることにした。(写真は昨年のものです)

原因はいくつかあるのだが、まあ、最大の原因は収穫しても食べるのは私だけと言ってよい状態で、それにしても食べ切れるものではない。夫人は以前にもばらしたように畑には余り興味を示さない。私の思いすごしかもしれないが、住職が暇潰しになにやってんだか、もっとやることがあるだろうに、くらいの雰囲気を漂わせていた。
確かに、種類も少なく偏っていて食べ切れるような代物でもないといった現実もあった。サラダほうれん草など二畝を一人で食べ尽くしたのには吾ながら馬鹿だなと思ったが・・・。それにしても作った張り合いがなかった。

張り合いのなさに拍車を掛けたのは予想外だった檀家さんからの野菜の喜捨であった。畑をする前から頂いてはいたのだが、なんか、以前より貰う頻度が多くなってしまった。方丈さんの作る野菜よりわしらの方がなんぼ美味いことか、と諭され、憐れまれているようにさえ感じた私って、メンドクサイひねくれ者ではある。

野菜を食べるに当たっては当然ながら美味しい檀家さんの作った物が優先する。喜捨していただいたものを食べずに放る訳にもいかない。思えば夫人と私の二人分の野菜には十二分過ぎる喜捨を受けてはいたのである。意外に思われるかもしれないが、何を好き好んでお寺で野菜作りを始めたのか、吾ことながら分からなくなってしまっていた。

以前から、お坊さんとは喜捨という、無心を有難く戴く存在であると心得ていた。言ってみれば、貰うことのプロでなければならない。勿論、その前提として与えることのプロでもなければならない。どちらも「貪るこころを捨てる」実践である。食べ切れなほどの野菜を貰っているのだから、手慰みとは言え、お角違いな欲望を満足させるために無理して自ら変な野菜を作ることもあるまい。恐らくほくそ笑んでいるのは私だけだし、檀家さんとの喜捨を仲立ちとした良好なご縁が台無しになるのもなんだか間違っているように思える。


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持って回ったもの言いをしているが、つまるところ、言いだしっぺ、やりだしっぺの私が思うほど畑作務が好きでも、得意でもなかったという実体が浮き彫りになったのである。まして最近とみに加齢による動きの鈍さ、面倒くささが顕著になってきている。メタボ解消の手立ての一つとしても始めた畑作務ではあったが、効果もさして上がった様には思えない。吾ながら、なんていい加減な、熱し易く冷めやすい人間だろうと思うのである。

禅僧と作務は切っても切れない領域ではあるが、それにしても得意不得意があろうというものである。都育ちの道元様に畑作務をしなさいと勧めてもどだい無理な話であるように、図体はデカイが、本質的に私は俳句作りに狂うような文弱人間なのであろうと思うようになった。

ということで、昨秋の畑の収穫後、畝をつぶし、地均しして柿、林檎、梨、柚子、栗などの果実の苗木を植えた。実のなるまでは数年掛るだろうが、まあ我慢してやろう。二年前に植えた無花果、すももは既に収穫して食べている。要するに私は文弱にして、どこまでも食い意地の張っただけの男だったのである。

それにしても、先日夫人がポツリと次のようなことを呟いたのには二の句が継げなかった。

「あ〜あ、どうして畑をやめたの?もったいな〜い」

それはないだろう、おっかさん!





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「春の山」

パンジーを植えて小さな風を呼ぶ

先生が煙草燻らす菫かな

日を吸つてはち切れむとす猫柳

春ひとり花束抱いてゆく男

病棟の窓は無口や春閉ざし

雪柳白光あふれなだれけり

聞き分けの良い子が並ぶ春の山

弓張りの恋路ヶ浜に春の波

鷹鳩と化したる肩のほぐれかな

茶箪笥は意外と狭くあたたかし






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