再生への旅

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zoom RSS 今日の差別即平等・無事これ貴人

<<   作成日時 : 2014/10/21 18:56   >>

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生まれたる覚えなけれど身に入みて 玉宗

永福寺の観音祈願祭も無事済んだ。
法要後の説教では「究極のご利益」とはどのようなものかと、確認させて戴いたことである。
祈願祭だけではないが、善男善女がお寺の山門を潜るのにはそれぞれの思いや当てを抱いていることであろうことは推察できる。家内安全、身体健全、商売繁盛、大漁満足、海上安全、交通安全、息災延命、子孫長久、病気平癒、等々。神仏への祈りや願い。それはお寺に於いても同様で、毎日のお勤めで国土や国家、地域、伽藍、内外の平安、修道無難、山門繁栄、万難消滅、仏法興隆等々を祈願し回向している。

さて、ご利益とは何か?

望んでも、祈っても全てが叶えられない事を人は知っている。知っていても祈らずにはおれず、願わずにはおれない。望まずにはおれない、人間の性。それを愚かと笑うか、人生の山河を逞しく生きていくための柔軟なこころと受け止めるか。宮本武蔵は「神仏を恃まず」と覚悟していたようだが、その返す刀で「神仏を尊ぶ」と語っていたのではなかったか。そこに天地の間に生きる人としての守備範囲を弁えていたもののふの誠を垣間見るのである。娑婆世界、その実際は「死んでも命がありますように」的な笑い話のごとき欲望の地平線を望む無理難題が多い。四苦八苦とは裏返せば笑っては済ませない欲望の業苦のことを言っている。

人はだれもが自分が一番大切なものであるには違いない。しかし、本当にそうだろうか?
生きている私とは、計りしれない条件の下で生かされている反応態そのもののことである。私自身が既に様々な条件の総体なのであり、その一つを取り出し、それに執着して、これが一番大切などと言い得る代物ではないのである。多い少ない、勝ち負け、強弱、美醜、四維上下、前後左右、古今東西、差別区別はある。然し、それは「仮りのもの」であり、「相対的世界」での話しである。

わたしのいのちは相対的な側面だけで生きている訳では断じてない。比較を越えたいのちの尊厳がだれにもある。なければならない。それは神仏ですら侵し得ない領域であろう。如何に況や人間に於いておや。神仏の方を向いて生きていこうと志すということは、つまり欲望を越えたところでぶれないで生きていくと覚悟し、目覚めることに他なかろう。

だれに遠慮もいらず、だれに傲慢になる理由もなく、わたしがわたしのいのちをまっすぐ戴くだけの話である。持戒というも、善悪と云うも、今ここに生きているいのちの絶対性の上でのことである。そこには本来的に戒を侵す理由がない。悪を為す理由がない。自分持ちのものがない。一番大切なものは私という執着や括りを越えた物にこそある。わたしというささやかながらも、疎かならない、一部でありながらも、抜き差しならない全体であるような存在。そのような次第の人間にとっての「ご利益」とは言わずもがなではないか。

そのような一大事因縁のわたしとなるために生れ、わたしとなるために生き、わたしとなるために死ぬのである。なにがあってもなんともない。日々これ好日、日々これ無事、日々これ貴人、日々これ御利益。その道程に目覚める。究極の御利益であるいのちを生きていると肯えるようにはなりたいものである。



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「赤き実」

赤き実の秋やたのしも秋やさびしも

白蕪のまだ豆ほどの大きさの

いや長き秋夕暮れの影曳いて

暗き世にわかりやすくて石蕗の花

秋の川筋を通して来たりけり

水澄みてとどまるものもなかりけり

もみづるや外より寒き家の中

野菊ほど無欲な花を知らざりき

冬眠に向かはむとしてゐるらしく

稲雀日にきらめいて逃げ回る


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「山彦」

山彦に零余子こぼるゝ故山かな

ふるさとは朝に老いぬ杉は実に

丹波栗丹波の土のぬくみかな

露けさに生きることさへ懐かしき

林檎剥くほかはなかりし間の悪さ

帰り咲くものへ変節ありにけり

蛙いま泥に入らむと黙想す

今年米抱けば内助の重さあり

韜晦もならず戻りぬ草虱

膨張の宇宙にねまり秋刀魚焼く


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「秋時雨」

蹲のくろがねに濡れ秋時雨

雨ながら鳴く虫の声そぞろ寒

種採りて護符のごとくに仕舞ひけり

八雲なす空より鶴の渡る声

藁の香や秋闌の納戸より

竹生島遠ちに色づく今津柿

猿回し紅葉冷なる山里に

僧一人招かれてゐる鎌祝

籾殻を焼いて天心けぶらする

稲架解いてがらんどうなる空残り

鳥渡るまだ見ぬ夢の彼方より





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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
柿色の衣装(法衣)が素晴らしいです。
花てぼ
2014/10/22 17:51

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