再生への旅

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zoom RSS 今日の諸法実相・身も蓋もない人生

<<   作成日時 : 2014/12/26 15:00   >>

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寒濤へ大きな声を出しに行く 玉宗


数え日っていうんですか、師走も年末となって、なんだか瀬戸際って感じだね。
「元日も冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」というような狂歌を遺したのは誰だったか。一茶か一休か良寛か、三人とも如何にも詠いそうな人物ではある。そんな元日ももうすぐ。死へのカウントダウンを一つ押すということのなるのかな。

一年の数え日といっても来年もまた繰り返す月日の存在を疑っていない人間の大いなる錯覚がある。一寸先は闇と言いながらも明日もあるいのちであることをどこかで盲信している節がある。然し、法は無情である。実相は無情である。諸行無常の実相に人間の都合は閉ざされている。あるがまま、なるようにしかならないし、ならないようにしかならなかたりしている。

若いうちは正月が目出度いことを疑いの余地もなく受け入れていただろうが、齢終末に近付くとまさに数え日といった感覚になるようだ。還暦を控えている私としては正直なところまだそのような差し迫った実感はないのだが、そろそろ人生の数え日の助走の準備を、といった思いが濃厚になっていることは事実である。さすがの私もいつまでも生きているとは思ってはいない。正確には思わなくなった。若い頃は自分は死なない存在であるといった抜き難い錯覚に陥って生きているといってよい。そういう意味ではまさしく目出度い存在ではある人間というものも。

齢を重るに及んで自己もまた限りあるいのちを生きていること知らされる。生を受けたときから死の宿命を背負い生きている。そのような存在の条件、いのちの面目を今更どうすることもできない。人生という諸行無常の流れに押し出され、流れに棹さして自己を励まし生きて行く。流れに浮かぶうたかたの思いや岸辺の風景。行きて帰らぬ月日、過ぎ去るものの光りと影、儚く限りあるものの、なんと美しくも哀れなことであるか。

そうではあるが、そのような諸行無常の流れの世界もすべてひっくるめて自己自身、自己限り、自己完結の今の世界の様子であるということ、そのような次第の、切れながらも続いて行く今の連続なのであるということ。一寸先の闇と光を身上をとしたわがいのちの世界。そこに目覚め、そこに自己を擲ち、生き切る。死に切る。情を断ち切る。まさに身も蓋もない、あからさまな、あるがままのいのちを戴く。人生とはそのような学びでもあったのだということを先人は教えているのだろうね。それここれも、危うい人生の歩みを諭しているのには違いなく、いのちの儚さというその身も蓋もなさは聖人も愚者も同様である。なにが目出度くで浮かれているのだろうかと、偶には立ち止まるのもわるくはあるまい。いったい何を急いで、何に急かされて生きているのか、その欲望の正体を明らかにするのも、生を受けたものの責務であるのかもしれないと思う訳である。



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「怖い」

花八つ手手持ち無沙汰に見てゐたる

怖いものみたさに生きて悴める

蕎麦掻の餅ともちがふ不甲斐なさ

ゆく人を烏見てゐる寒さかな

次の間に控へてゐたる寒さかな

影のごと妻を先立て年の市

雪嶺と光りを競ひ飛んでゆく

北国の陰毛濃ゆき雪女郎

知らぬ間に羽子板市を抜けたらし

笹鳴きの日を啄んでゐるやうな

大根を炊くや腑抜けとなるまでに



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「カチカチ山」

よく熾るカチカチ山の榾木かな

もうだれも信じられない狸かな

生娘に難あり兎飼ひたがり

死んだやうな姥捨て山の眠りかな

婆汁の眉唾ものを闇に喰ひ

泥船の七つ道具や鴨の糞

躓いたり転んだりして雪まろげ

煮凝りやひとりで生きていけとこそ

へうへうと風つれなくも松飾り

雪の上に雪ふる夜の静寂かな



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「松飾り」

海見ゆる峰に出でたる松迎へ

年用意いま亡き父のしたやうに

松飾り終へたる夜の海の荒れ

歳神を迎へ入れたる竃猫

逃げてゆくやうにころがる毛糸玉

赤き実をこぼし冬鳥飛び去りぬ

不景気な貌して終る煤払

もう誰の手にも負へざる吹雪かな

冬至過ぎ厨の窓のあかるさよ

夢違ふ終の棲家や龍の玉

羊歯枯れてめでたき日々の始まりぬ















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