再生への旅

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zoom RSS 今日の以心伝心・清濁併せ呑む寛容の世界

<<   作成日時 : 2015/01/27 22:36   >>

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赤き実をこぼし冬鳥飛び去りぬ 玉宗

人間の中には人様に言えない闇もあり、光りもあります。
善もあれば悪もあり、清もあれば濁もあります。そのような自分に正直に生きるとはどういうことか。正直に生きることははたして賢明なことであるかどうか。正直も馬鹿がつくと自滅の道を辿ることは勿論、他者をも巻き込むことがあるものです。正直がダメとか悪だと言っているのではありません。正直さ加減も使い方次第で悪にもなれば善にもなります。いったいが何に対しての正直なのであるか?何を目論んでの正直なのであるか?正直であることで自己の欲望を拡散しようという無責任さがそこにはないのかどうか。単なる世間知らずの、都合のいい類の人間ではないのか。正直過ぎることも愚かさの一つではないのかと、自分を顧みて思ったりします。

人生には自分に正直に生きるより大事なことがあるのではないでしょうか。その大事なこととは何か?

人が人として生きるとは信頼関係の中での話です。信頼とは商売の世界だけの通用する人徳ではありません。自己を極める仏道の目的も又、様々な人間関係の信頼によって支え支えられていくのが実際です。自分に正直であることがその信頼関係の破綻にならないかどうか。自分の正義、自分の主張、自分の欲望等々、自分持ちの世界に正直に生きることが果たして人間関係の構築に有益な面だけをそなえているのかどうか。

人の世とは自分に正直であることが全面的に許されるものではないことを知らなくてはなりません。思えば、自分の満足を先行するしか能のない人間とは実につまらない存在ではあります。というより、問題は自分という存在の正体を知っているかどうかです。

正直ものは損をする。確かにそれも人生の真実です。然し、損得だけが人生の価値基準ではないことを知る人は少ないようです。否、知っていても損得を前にして正直さが変質することが多いと言うべきでしょうか。まさに清濁併せ呑んでいるのが人間と云う可能性の存在さ加減なのだと思わされます。

そのようなことをも含めて、自己を知るものをこそ尊く、幸いです。自己の全てを受け入れることができてこそ、他者を受け入れることができるのではないでしょうか。自己の全てを投げ出し、自己のすべてを捨て放ち、自己のすべてを無にすることができてこそ、他者を、世界を受け入れ、許せることができるのではないでしょうか。思えば、至極当然の理ではあります。

人に聖人君子の面影を期待しているということは、本人の中に未だ自己の真相にめぐりあっていない可能性が十二分にあるし、それはまた他者への融通の利かない正義感の危うさを抱えているに違いないのです。人は理想が先走るものですが、それも現実という化け物、壁にぶち当たり、跳ね返され、躓くことになります。そのときこそが飛躍の機会なのであり、再生への一歩となるのでしょう。人は躓いたところからしか立ち上がることができません。学びと再生の繰り返しこそが人生です。人生における失敗や挫折、行き詰まりこそが再生のチャンスであるとは実に万古不易の真実であると言って過言ではありません。

世には多くの「聖人君子」や「大人」が存在していますが、さて、欲望を越えた「本物の自己」を生きている人間がどれほどいるものなのかどうか。自己の欲望に正直であるよりも、自己をあきらめない、自己を見捨てない、他者に学び、人生に学ぶ謙虚さこそが求められているように思われます。

今の世の中にこそ、清濁併せのむことができる人間。寛容な人間が求められているのではないでしょうか。お大事に。合掌。


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「寒釣」

寒釣りの余念のなくて閑さうに

頼みもせぬに鰯山ほど持ち帰る

どうしろといふのか河豚を釣つてきて

探梅を戻りし母を焙りけり

春炬燵そろそろ空も開けるころ

俵子の海のものとも山のものとも

目瞑れば風音ばかり冬鴎

父方は狼の血を引くといふ

見覚えのある腰巻をして雪女郎

五つほど蜜柑を喰うてあほらしく



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「三寒四温」

うすらひの岸離れゆく旅路かな

シクラメン花が逆立ちしてをりぬ

福寿草光り吐き出すやうに咲き

酒蔵の路地の湯けむり冬深む

路地にでて遊ぶ子の声日脚伸ぶ

雪解けて顔を出したる道祖神

酒粕を貰ふ酒屋の命日に

三寒の僧に甘酒振る舞へり

托鉢の草鞋干しある四温かな

春近き空がもろ肌脱ぐやうな


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「鼠籠」

遠からぬ春を迎へにゆく男

そろそろと鬼が腰上ぐ春隣

仏壇を固く閉ざせるつらゝかな

堅雪を跨ぐや月の命日の

雪解や妻が屈めば尻が見え

うすらひの岸に浸け置く鼠籠

折からの雨に嵩ます雪解川

皹の手が魚捌きをり振り売女

パンジーのリボンが蝶になるところ

佐保姫の裾をめくりに村あげて







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