再生への旅

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zoom RSS 今日の諸悪莫作・理想と現実

<<   作成日時 : 2015/04/30 16:35   >>

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みちのくの空さびしもよ花林檎 玉宗

一般社会では今頃新入社員や新入生が新天地の空気を腹いっぱい吸って夢もうつつな日常を過ごしているのだろう。教える者と教わる者。新参と古参。先輩と後輩。上司と部下、そして同僚と云う競争相手。なかなかに賑やかな人に世ではある。それは修行道場の現場に於いても同様の人間風景でもある。

なにごとも思い通りにはいかないことの多い現実であるということで、思い通りに行かないことが前提の現実であると思い定めて生きていくことにしてはいるのであるが、それにしても折々にああでもない、こうでもない、ああしろ、こうしろ、ああしたい、こうしたい、と自分にも人にも注文やダメだし、あるべきようをいいたがる私がいる。理想を成し遂げられない現実に絶望したりするのであるが、それはまた見ようによっては現実になんの変化も来さない理想に絶望しているようでもある。

理想と現実。それは反対語なんだろうか?
双頭の蛇のようでもあるし、手の裏表、足の左右のようでもある。正体を知ろうとすれば手をすり抜けていくようなもどかしさ。現実、現実と云ってばかりいるというのも胡散臭いし、また、理想や理屈が先走るのも、なんか危うく、ついていけないと敬遠するようになった。大人は現実を口実にして現実を脚色しているようでもあるし、若者は理想を口実にして現実に目をつむり受け入れようしなかったりしているようにも見えたりする。

仏道の本題でもあるいのちの話をしよう。
息をして生きている事実の今、仮にそれを私と云う。生きているいのちの事実。当たり前のところから人生は始まる。そしてときに人はそんな当たり前の事実を忘れてしまう。その挙げ句に生きていかなければならない私の理想などといったものを妄想し出す。糸瓜に理想があるだろうか。犬や猫に理想があるだろうか。悪人に理想がないのだろうか。善人に理想があるのだろうか。過激に、理想を持って生きていくとはどういうことか。理想は今、ここにないものなのか。あるものなのか。なくてはならないものなのか。理想がなくても喰うて生きていくにはなんの支障もないかのようではある。そんな代物と人間を一緒くたにするなと叱られそうだが、理想を掲げたがる人間様の進歩観が畢竟どれだけの現実を齎したのだろうかと思わないではない。

いのちしている事実の真っ只中に理想や理屈も備わってはいなのだろうか。それは余りにも楽観的なものの捉え方だろうか。現実的ではないのだろうか。正義という理想。平和と云う理想。勝者という理想。安心という理想。得るという理想。捨てるという理想。迷うという理想。悟るという理想。生という理想。死と云う理想。理想とはなんだろうか。いのちに理想は必要条件なんだろうか。現実とはなんだろうか。というより、「道」は理想も現実もわがものとして自由自在に使いこなしているに違いないのである。本来、いのちには道の本分が備わっていると思いたい。仏道の真っ只中とは、偏らない、いのちの全きさ加減を称揚している。「中道」とはどっちつかずの、いい加減さを勧めているいる訳でもなかろう。まさに、事に当たり、理に当たり、「道に中る」ということ。

平和の理想を掲げて争う人間の現実がある。万物の霊長などと云われて良い気になって、浮かれている場合だろうか。理想と現実に迷っているのはだれか。自らの迷悟、生死を点検してみるのもいい。理想も現実も同じ穴の狢。欲望と云う名の百面相なのかもしれないのだから。



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「抓む」

筍の獣染みたる皮衣

竹の子を喰ふに手間取る口伝あり

満天星の千の花壺ゆれもせで

花水木花のパレット空を向き

愛されずして桜しべ降る街に生き

うち仰ぐ空の碧さよ藤の花

うかうかと稲荷祭に出くはして

穴出でし蟻に徒食の影覆ふ

いとけなき指もて紋白蝶抓む

目刺焼く長屋住まひといふ風に

蝿生る太陽に死の匂ひして


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「かもしれぬ」

おほでまりほどの乳房であつたなら

燕には見えてゐないのかもしれぬ

仏弟子も脇は剃らずよ蝿生る

霧島躑躅火傷しそうな花の色

蜂が来て慰めてゆく廊下の子

親鴉ハンガー咥へ飛び去りぬ

梢吹く風に波打つ花楓

金鳳花日ノ丸上がる日和なり

たんぽぽの免れ難き黄なりけり

目刺食ふ男がどうも侮れず



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「つんとして」

腰紐を足して灯点す荷風の忌

メーデーを戻れば家の味気なく

塞ぎたる炬燵の部屋がつんとして

手弱女は手出しができぬ牡丹かな

はためいて風芳しき鯉幟

経文を誦むが如くに蜂唸る

一八の襟にきれいな風吹いて

蝶が来て出来そこないを慰むる

ものを煮る如く代掻してをりぬ

子を二人亡くせし母の柏餅

みちのくの空さびしもよ花林檎









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