再生への旅

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zoom RSS 今日の自己満足・無為の法に生きる

<<   作成日時 : 2015/08/27 15:06   >>

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胸掻き毟るやうに石榴の割れにけり 玉宗


境内の紅葉もまだ見頃にはほど遠いがそれでも大風の後の桜落葉やタブの木などの常木落葉、そしてまだ青いままの銀杏落葉などが目に付くようになった。萩の葉の紅葉も未だしだが、花屑がけっこう乱雑を極める。掃き作務も本番へ向けて助走が始まったという感じである。
 
今日、二十七日は永福寺先代の月命日逮夜である。毎月寺族共々、逮夜のお勤めをして欠かしたことがない。その先代住職である義父は九十四歳で能登半島地震の二年前に遷化した。九十になっても天気の良い日は竹箒を以って境内の掃き作務に精を出していたものである。そのような先代の姿は町内の皆の目に止まっていたようで、折に触れてその精進さを語ってくれる人に出会う事がある。説教師ではなかったが、明治生まれの謂わば古仏然とした威厳と包容力があった。昔の禅僧は文字通り教外別伝の宗旨を地でいくようなところがあり、お説教が下手でも、日常生活をまっすぐ威儀正しく率先して行じることで潔しとする、といったところがあったように思う。
 
坐禅と作務と托鉢。禅僧はその三つさえできればいい、という教え?を真に享けて、学歴も僧歴も貧ずしい私などは形だけでも後ろ指さされないようにとこころしてきたつもりであるが、さて、先代が今の私にどれほどの評価を与えてくれるものか覚束ない。俳句にうつつを抜かしてお経の勉強も疎かにしているような始末。そんな不肖の弟子を持って草葉の陰で泣いているのではと思う事がしばしばある。わが弟子も又、こんな師匠を目の当たりにして、どのような思いでいることやら。
 
恐ろしくも、有難くも、世代を越えて、繋がるものがある。誤魔化しの利かない「業」といったもの。それを強く感じることがある。それは自分持ちのものではあるが、本来「業」そのもには白黒の色は着いていない。わが「業」を白にするのも、黒にするのも私の生き方次第。よくよく心してこれに過ぎるということはない。住職以外の肩書きもない唯のお坊さんであるが比べれば愚痴になる。私は私である以外に私を越える術を知らない。
何事も余念を交えず、事に当たり、理に当たり、まっすぐ生きる。無為の法に生きるしか成仏の行方はあるまいと思っている。




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「愛」

水引の花やうすうす線となり

踏み込めば何か始まる赤まんま

厨妻秋たけなはの音立てゝ

垂乳根のさながら稲の香に噎せて

謎解けぬまゝに老いたり実山椒

弟は兄より淋し力草

露草のまなざし深く追ひ込まれ

えのこ草ひとりに慣れてしまひけり

花野より戻りし妻の冷えを抱く

せうがない顔して稲を刈り始む

言葉より愛がものいふ稲雀

悪意めく南瓜を一つ貰ひけり



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「これはもう」

これはもう謂はば野分じゃなからうか

野分より戻れば少しさゝくれて

野分たのしも見果てぬ夢のあるやうに

めくるめく空に翳して残る蝉

萩の花風に揺れたり止まつたり

さよならのやうな風吹く花野かな

たそがるゝよるべもあらず鮎錆びぬ

手遊びに折りし木槿を挿し木せり

後朝の別れもあらず芋の露

秋海棠ものをおもへと色に出て

パンドラの箱の賑はひ稲雀



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「どうしたものか」

死ぬる世をどうしたものかつくつくし

金がないどうしたものか天高く

悔しき世をどうしたものか豆を引く

頭悪きをどうしたものかかなかなと

秋蝶がどうしたものかといふ風に

道半ばどうしたものか秋めいて

螻蛄鳴いてどうしたものかあほらしく

徒なるをどうしたものか秋簾

生きながらどうしたものか鮎錆びて

戦さ世をどうしたものか温め酒








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