再生への旅

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<<   作成日時 : 2015/08/10 15:35   >>

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うらなりの茄子も馬となる日かな 玉宗

曹洞宗では便所のことを東司(とうす)と呼称している。
臨済宗では雪隠(せっちん)と呼ぶことが一般的なようだ。飲食と排便は貴賤・貧富の別なく神聖にして犯すべからざる命の営みである。この時ばかりは、人間は神様のように油断している。そのような訳ありの命の現場は清浄なる現場でもあろう。玄関とトイレと仏壇をみれば、家主の性根が反映されていると思って先ず間違いはない。僧堂では東司を清掃しない日は無い。便器を舐めることが出来るくらいに拭きあげる。朝起きて顔洗うことと同じ意義をもって東司掃除は必要欠くべからざる人間生存の条件ではないか。便所を磨きあげることは、だれのためでもない、自己を磨きあげることである。 

世に「ゴミ屋敷」に住まう人物がマスコミや地域を賑わすことがある。彼らには味噌と糞を区別する理由が見いだせないのか、単なる面倒くさがり屋の極めつけなのか、ゴミの山が居心地がいいのか、私には分からない。彼らは一見、社会や他者に絶望している。然しながら、彼らには自己を映すべき「他者」がいない。欠落している。自己には絶望していないかのごとくである。自己を映すべき術を知らないものに、人生の真の楽しみ、張り合いを見い出すことは難しいことだろう。何故、顔を洗うのか?何故、便所を掃除するのか?それは清浄とはどういうことなのか、と問うことに等しい。広い世界にはおそらく、朝起きて顔も洗わなければ歯も磨かない人間がいるかもしれない。便所という概念もない部族もいるかもしれない。

日本人だって昔から歯を磨いたり、顔を洗ったり、便器を利用する習慣があった訳でもないだろう。人は人として生まれてくるのだろうか?人になるために生まれてくる、と言った方が真相に近いのではないか?狼に育てられた少年の話は有名だ。彼は結局まともな成人として生きてゆくことができず早世したのではなかったか。

ものに二見があるのではない。本来、ものはものとしたあるばかりだ。いのちがそうであろうように、それらは人の思い以前の、かくのごとく縁起している法の様子である。誰の手垢も着いていないあるがままのものである。それが清浄である。美醜も、煩悩も、悟りも、修行も、生も死も、自他も、刹那も永遠も、時間も、月も星も、草も木も、善も悪も、何一つとして本来清浄でないものはない。

味噌は味噌としてあり清浄である。糞は糞としてあり清浄である。愚かな私は愚かな私として清浄である。だからと言って、というより、だからこそ、味噌と糞は一緒くたには出来ないのも犯しがたい現実である。自己が自己に落ち着く。それ以外のどこに仏法の面目があるのだろうか。「清浄の位を打す」それが、一事が万事に通じる東司作務の極意であり、生きることの極意でもあろうと思う。



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「妥協」

明日ひらく恋のきちこう筺なして

女郎花惚れし弱みに待たされて

妥協とは思へぬ南瓜の重さかな

西瓜売並々ならぬ顔をして

みそ萩を分けてもらひぬひと抱へ

不釣合ひな嫁を貰ひぬ葛の花

新松子一山当てゝ父帰る

みる限り故郷にして花煙草

まぎれなくあれはオクラの花にして

ゑのころや踏んだり蹴ったりしてありぬ


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「平凡」

佳きひとに声掛けらるゝ今朝の秋

秋といふうしろ姿が先駈けて

孕みをる生々しさよ鹿ねまり

平凡に生きるも難儀秋すだれ

送行の僧と隣りす七尾線

秋日さす石一枚の旱かな

掃苔や曲がりなりにも生きてきて

登校の道すがらなる烏賊襖

豆打つやどこへもゆかぬ母ひとり

初風に旅をしたがる昼寝覚









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内 容 ニックネーム/日時
亡き人を しのびせつなし 茄子の牛
京の籔内
2015/08/11 18:17

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