再生への旅

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zoom RSS 今日の無分別・行き詰まりというステップ

<<   作成日時 : 2015/12/19 18:06   >>

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行き詰るとは如何にも陳腐冬木の芽 玉宗


われながらつくづくと思うのであるが、行き詰まるということの真相に思いを致すと、どうもそこには詰め込み過ぎた分別知がぎゅうぎゅう詰めで、にっちもさっちも行かなくなったわが器の小ささを痛感するのである。作為、無作為の果ての、どうしようもなさ。思い通りにならない歯痒さ。謂れなき被害妄想。果てしない愚痴。一生懸命やっているのに認めて貰えない。解って貰えない。憤懣やるかたないことこの上ない。

そんなときはどうするか。

器を空っぽにすればいいのではないかな。困った時こそ、行き詰ったときこそ、こだわりを捨て、真心を施し、解放するべき身心の処し方があるようだ。内も外も解放し風通し良く、ニュートラルな状態とでもいうべきか。それができれば苦労しないよ、と嘲笑われるかもしれんが、なにをこのんでそのような苦労をする義理があるのだろうと私なんかは思ったりする訳。世界は私を中心に廻ってはいないが、私と共にある。私ひとつの心模様が反映する、一体であるからこその一部であるような無分別な世界。

そのような、なるようにしかならない世界だからこそ、誤魔化しの利かない世界だからこそ、私のない世界だからこその可能性がある。力の尽くし方がある。元々救われているからこその、本来なんともないからこその、もの足りないながらも足りているいのちの事実を生きているからこその、無分別がある。自由自在がある。といったようなところを生きていけたらいいね。



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「おくりびと」

足袋穿いて死者に一番近くをり

寒紅をひいてあの世へゆくところ

侘助やみなまぼろしの死に化粧

炉辺にゐて棺を担ぐ約束を

棺桶の窓に望むや枯野星

着膨れて冥土のごとく佇める

棺桶に敷くほど落葉掻き集め

大根煮る厨に明り溢れしめ

さ迷へる夜風にゆらぐ冬灯

生きて帰るほどの深さに火を埋め

生き死にの帷りにつどふ寒さかな

凍星へ死者を送りしさびしさよ


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「定めなき」

定めなき能登の日和や菰を捲く

子を連れて裏の山へと松迎へ

丸太曳く馬の鼻息貨車のごと

年の市鍋底いろの空の下

火を入れて生きた心地や冬座敷

賀状書き終へたる空がはっきりせず

強情な音立て棕櫚を剥ぎにけり

がらくたに目がない父とぼろ市へ

父が坐れば俄かに熾る榾火かな

お目出度い顔して飾売る男

忘れたる頃に歳暮の届きけり

山越えて来たる顔して炭を売る


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「抱く」

停戦の如くに鶴を抱いて来る

白鳥の抱けるものなら抱いてみろと

まだ愛の足らぬとばかり星冴えて

雪の夜の抱けば火となる女かな

狐火やつぐなひきれぬ夜があり

うつろ世に流されこゝに帰り花

千両や今は昔の武家屋敷

万両やしもた屋にして跡絶へて

冬柏風も迷へる最果ての

藪柑子幸うすくして日あたりぬ

水仙のみひらいてゐてうつむいて

寒さうな鴉の止まる枯木かな

さざんかのほのかにうかぶあさぼらけ

遠ざかる星見えてゐて寒かりき

初雪や夜の底ひに生れて消え





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市堀玉宗第三句集『安居抄六千句』

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