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zoom RSS わたしは実用的ではありません?!再考

<<   作成日時 : 2015/12/25 17:22   >>

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父の座に父のをらざるクリスマス 玉宗


今更の話でなんであるが、お坊さんとか住職の社会的役割、存在意義、立ち位置といったことについて再確認しておきたい。

ざっくり言わせてもらうが、全ては先ず、お釈迦様が諸行無常の現実を如何にして受け入れたかというところから始まっているだろう。限りある命にして、煩悩に揺れる危うい人生。それでいいのかという自問自答があった。解脱の実践があり、釈尊はその典型として生き抜いたということだ。その亜流を汲む三国伝統の祖師菩薩、そして末法の世と云われる仏弟子に到るまで、曲がりなりにも解脱の典型である釈尊に学ぶことをわが業ととして連なっているという自覚があるだろう。なければならんだろう。本物であるか、偽物であるか、中途半端であるかという現実はどの社会でもあり得る人間と云う可能性の問題である。

現実は偽物でも間に合うこともあるし、本物が世の隅に憚って生きるということもある。そもそもが本物、偽物論議とは誰がしていることなのか。人様の役に立ちたいといった意識は大概のお坊さんにはあるだろう。当然のことながら、仏弟子という生き方からの役の立ち方といったものが自ずからある筈である。

ところで、世に無用の用といった言葉もある。お坊さんとは一見して生産的労働はしていないかのように見える。世間では額に汗水して土を耕し、海に漁り、山に狩りし、士農工商はいうに及ばず、医者、科学者、先生と呼ばれる方々はすべからく、判然とした社会的役割を担い、認知されているようだ。本物か偽物か、中途半端かは別にしても、それはそのまま社会に必要とされている証明なのだろうか。或いは、人類にとってなくてはならないといったような、殆ど神話じみた話しなのだろうか。

お坊さんとはそのような楽園からはじき出された、なくても一向に構わないといったような代物なのだろうか。お坊さんの存在を必要としている者にとってだけの存在意義なのだと言ってしまっていいのだろうか。本当に鰯の頭的な存在なのだろうか。

そしてなにより、鰯の頭のどこが不都合なのだろうか。鰯の頭として非難されるべき科学的根拠があるのだろうか。寡聞にして私は知らない。


お釈迦様という解脱の典型を真似て、実物として施す。心にも、身にも、三業にもいのちの実物を施す。社会的対価や期待や生産性や合理性や利便性を越えたそ無用の用。それはもう殆ど人類の精神的文化遺産なのかもしれないね。人類にはそのような代物を必要としなくなるときが来るのかもしれん。それは文化文明の果ての昇華としての浄土が出現したということになるのか、はたまた、神仏に見放された人類と云う異端児のなれの果ての断末魔なのか、阿鼻叫喚なのか、ニヒリズムなのか。私にはわからん。

かくのごとく、訳のわからんことを自問自答し、無用の長物と化し、実用的でないことに浮き身を窶している私と云う存在。世間に見放されているかのようでもあるが、偶に御用が掛ることもあるのだから末法ながらも、まだ捨てた世ではないのかな。


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「じたばた」

用もなく外に出てゐたる冬至過ぎ

年の瀬の信号待ちをしてゐたり

衝立の向かうじたばたしてをりぬ

わらんベの一人足らざる冬座敷

ここだけの話また聞く囲炉裏かな

窓拭いて少し近づく冬木立

粕汁や海鳴り已まぬ夜もすがら

峰越へて隣りの町へ松迎へ

年用意郵便切手舐めてより

畳替へ夜のしづけさありにけり


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「手」

罪多き手もて聖夜の窓拭けり

夜や更けてわが息をきく炭火かな

罅の手の母を悲しませしことも

寒さうな鴉見てゐる影法師

松前は風の町なり三平汁

浦々に月影しるき鯨鍋

加賀殿の城下に喰らふじぶ煮かな

裏山に靡く朝靄冬安居

夕星を窓に仰ぎし煤湯かな

埋火や押し寄せてくる夜の嵩

外に出れば星泣く煮込みおでんかな



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「たより」

先立てる妻がたよりや年の市

面影をたよりに送る歳暮かな

加賀殿のバサラぶりなる蕪漬

たらたらと千枚漬を差し挟み

時雨つゝそのまゝ雪となりにけり

沖見ゆる峰に出でけり松迎へ

止まり木のユダが酒酌むクリスマス

クリスマスエレベーターにいちゃついて

臘梅やうつらうつらと日の翳り

枯桜寡黙に人の過ぎ行けり

鳥のみちけふは雲ゆく枯野かな






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市堀玉宗第三句集『安居抄六千句』

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