再生への旅

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zoom RSS 今日の禅問答・絵に描いた餅

<<   作成日時 : 2016/01/13 18:01   >>

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われなくてよかりしこの世雪積もる 玉宗


運動量以上に餅を食べすぎたせいだろうか、体が重い。毎日四、五時間托鉢で歩いているのだが、さっぱりである。餅は「腹もちもいいが、腹付きもいい」と注意して下さったお方もいた。

道元禅師の正法眼蔵に『画餅』という一巻がある。
「画に描いた餅」と言えば、腹の足しにならない、又はものの役に立たない虚像のことと受け取るのが世の常識であろう。禅師もそれを承知の上で常識を超えた宗教的実践の本質、「行」の実態、つまり宗旨を説かれているように思える。

結論を言えば「画に描いた餅で飢えを満たすことができないようでは大力量底の修行者とはいえないぞ。」と諭しておられるのだ。なぜなら、生死は「画餅」であるから。只管打坐も経巻も喫茶喫飯も有時もすべて「画餅」であるからだというのだ。

禅問答を解くには先ず、宗教的問い掛けが前提としてあることを忘れてはならない。私にとっての宗教的問い掛けとは、例えば、人生とは何であるか、何のために生まれ、生きて、死んでゆくのか、などという限られた命の様々に展開される諸相への「?」がある。「自己とは何か?」とひとくくりにしてもいい。

所謂「画餅」とは文字通り、なんらかの筆記用具や彩色を使って紙上に描かれた餅の画である。禅師は「生死=いのち」も「画餅」であると云う。仏教的世界観で捉えられている諸元素の和合が「私」という「画」なのである。「常ならぬもの」ということである。「和合」を企てたものは何者であるか?そんなことは今更どうでもよい、私にとってこの無常態は「縁」としか云えないものである。

肉体は「死」によって「和合」を解かれ「灰・土」となり諸元素に還る。疑うことのできない眼前の事実がある。無常の実相がある。仏性即無常。 「生」は「縁」によって与えられた「ひとときの画」である。描かれたものである。それも実相にはちがいない。

私の問い掛けとは、言い換えるならば、私の「飢え」である。「生」という「画餅」を食うか、喰わないかと迫られているということである。「?」即「!」ということ。あるがままの実相を受け入れること。それが飢えを充たすと云う事であり、「信」に生きると云う事でもあろう。

「画に描いた餅で飢えを満たすことができないようでは大力量底の修行者とはいえないぞ。」

これは禅宗における信仰・行・安心の落処を端的に指示されたのであり、決して画に描いた餅のような絵空事ではない、と私は受け取っている。私の修行とは「画餅」で腹を満たすことに他ならない。


案の定、禅問答より訳のわからない重い内容になってしまった観がある。体重もブログも、もっとすっきり行きたいね。




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「ばら撒く」

松過ぎていよいよ風のあらけなく

寒くて寒くて死ぬことさへも癪に障る

悴める手もて股間を弄れる

ばら撒いた辺りに逃げる寒雀

沖明けて旗がよろこぶ起舟かな

折からの雨に祟れて恵比寿講

裃を着こなし春を呼ぶ男

成人の行きて帰れぬ日を祝ひ

初東風や金比羅山を駆け上る

田遊びの早乙女に妻借り出され

海吼えて空吼え能登の冬深み



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「上の空」

雪晴の遠山映る潦

瘡癒すごとくに雪の降り積もる

遠嶺に誰か手を振る風花よ

寒念仏途方に暮れた顔をして

龍なして火の勢ひや吉書揚

左義長の果てたる宵の焦げ臭き

蝋梅や闇に灯点す花の色

暮れがての空へ太鼓や寒念仏

耳澄まし鴎目瞑る恵方かな

震災と同じ空なるいかのぼり

独楽廻す汽車を待たせてゐる如く

葉牡丹のだうも気になる上の空


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「ことり」

牡蠣船の近づいて来る音重く

ひもすがら浦に棹差し海鼠舟

鱈船や目鼻分たぬ雪の中

勇魚来と翁が立てる礁かな

寒鰤のひとたび萎えて跳ね上がり

成木責兄が落ちたる柿の木の

寒さうな男が滝に打たれをり

藪入りの子を寝かせおく二階かな

正解を鵜呑みにできず着膨れぬ

寒卵ことりと老いてしまひけり




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市堀玉宗第三句集『安居抄六千句』

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