再生への旅

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zoom RSS 自灯明の人生

<<   作成日時 : 2016/02/12 17:46   >>

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春愁ひ日は雲中に鬱々と 玉宗


「みづからを知らむとするは生きるものの定まれるならひなり」

初めてこの言葉に接した時、雲水であった私は、それまで迷いぬいてきた人生の歩みが肯定されたとまでは言わないが、曲りなりにも無駄ではなかったと感じたものだった。お粗末ながらも「自己とは何か?」に拘りながら生きてきたことへのお墨付きを頂いた様な気がしたものである。

顧みれば、自己とは何かと自問自答することは、人生とは何か、現実とは何かと問うことに等しかった。人生、現実、つまり生きている今の実体。そこには私というものに拘っても拘らなくてもなんともない、実に虚しさの極みでもあるようななんともなさ、なるようにしかならないと言い逃れるしかないような、あるがままの世界が展開されているとしか言いようのない私を越えた領域がある。
 
そのような掛け値なしの、絶対的な世界がある。現実を尊重して生きるとは、そのような事実を受け入れて生きる柔軟さのことを言うようである。柔軟でなければ生きて行けないのが生きるものの定めでもあろう。本来の自己を見据えていきるとは実にそのような命の然らしむるところでなければならない。自己を知り、自己を生きるとまでは誰もが口にするが、正確には自己を忘れることこそが仏弟子の面目でもあろう。それこそが人生を逞しく生き抜いてゆく公然の秘訣なのである。

自己の真の姿を知るものはしなやかで、拘るものがない。だからこそ逞しい。糸瓜は糸瓜で、お螻蛄はお螻蛄で、私は私で生きゆくしかないからこその苦難と救済。それはおそらく神様でさえ咎めることはできない存在の条件なのである。自己の内外に輝き影なす鏡のような命の実体。世界は狭くもなければ広くもない。事実はただそうあるだけである。


自己を買いかぶらず、見損なわず、あきらめず、いのちの今の灯火を捧げて生きる。自己の灯火の世界。それを覚知し、見極め、灯を自己とし、他己とし、今として歩むこと。人生とはそのような自在性を学ぶ果てしない道程なのである。



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「へそくり」

蕗味噌や能登のつちくれ甘からむ

あかときの春雷を聞き又眠る

見も知らぬ男が梅を見てをりぬ

風船の失せたる空を叱りけり

へそくりの顔して踏絵より戻る

雪解風ふるさと行きの駅にさ迷ふ

出稼ぎの父が恋しきうすごほり

うち捨てゝ春あけぼのへ漕ぎ出しぬ

せつせつと泣き濡れてゐる春の雪

春しぐれノートを買うて戻るとき

麦踏みのいつしか沖に流されて

田の神を送り出したるはだれ野へ



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「目覚め」

夜半月の光り湛へし雪解川

月の面の風は聞こえぬ涅槃かな

村挙げて目覚めの遅き春を迎へに

肩越しの向かうに見ゆる雪崩かな

雪解けてうつゝに風の吹きわたる

春炬燵あればあつたでありにけり

梅見より戻りし母のさゝくれて

甘いもの買ひに雪どけ橋渡る

夢にまでみたるお伊勢を参りけり

目覚めたる山のにほひや春祭

欲もなく目刺焼くほかなかりけり



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「楯」

立山を楯とし春を漁れる

立山の尾根に雪積む夕映えの

残雪の遠き山より水流れ

雪解けて礪波は風も平らかに

一湾にかがよふ春の潮かな

峰遠く海深くして里の春

土手を吹く風のかろさや魚は氷に

おにぎりを五つ喰うたる春愁ひ

東風吹くとにほふ実家の綿蒲団

浮かれたるやうに春服着こなして

ビル街に谷間ありけり春寒く

明日は帰ると菜飯こさへてくれにけり








鳳来山永福寺晋山記念事業ご案内


永福寺(鳳来堂)は昔より霊験あらたかな観音霊場、地蔵尊の祈祷寺として多くの信仰を戴いてまいりました。約百年前に門前総持寺膝下にあった永福寺が輪島の信者の皆さんに守られて来た由緒ある仏さまと合体して今に至り、私・市堀玉宗代まで七世の住職が任を務めて参りました。

その間、社会的にも様々な変遷があり、輪島の宗教事情や市民の宗教感情、意識もまたゆるやかではありますが変化しつつあるところです。しかしながら、社会の変化の中で私どもはお寺の存在をこれからも世に問い続けていかなければならないものと考えております。

ご存知の様に、永福寺には檀家がありません。今日まで多くの信者の皆様に支えられて参りました。つきましては、この度永福寺新命和尚の晋山式挙行に当り、左記の要領で基金を募ります。住職にとっても、信者の皆様にとっても生涯に一度の結縁です。広く布施の願行をお勧めいたします。

お申し込みの方には記念品贈呈の上、法要に当り祈願、供養の回向をいたします。
法要に際しましては、おさそい合わせの上、多くの皆様の参拝をお待ちしております。合掌

晋山式記念事業等の内容

1、平成28年11月3日晋山式大法要
2、記念事業 (境内整備等)
3、記念書籍刊行
4、稚児募集 (募集開始は夏以降)

◎基金募集

晋山式事業基金を次の要領により募集します。 

募集期間 2016年1月より2016年10月まで
募   金 一口・5000円(何口でも結構です)
送金方法 「晋山式基金」と明記のうえ、郵便振替口座でお送りください。
送金先  郵便振替口座 加入者 永福寺 口座記号番号 00750・5・101412




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市堀玉宗第三句集『安居抄六千句』

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