再生への旅

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zoom RSS エッセイ集刊行企画、その後

<<   作成日時 : 2016/04/14 16:33   >>

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天と地といづれさびしきさくらかな 玉宗


刊行予定のわがエッセイ集であるが、地元の北国新聞出版からすることになった。原稿はすでに手元を離れている。本体文字数は当初50万字ほどであったが、最終的にはその半分25万字程度に落ち着いた。300頁ほどの体裁になるのだろうか。定価は2千円前後になりそう。写真入りである。

タイトルは以前から口外している通り『拝啓、良寛さま』。
実は先日、御誕生寺に伺った際に禅師さまの揮毫になるエッセイ集のタイトル文字を頂戴してきた。前もってお願いしてあったのである。それがこの写真↓

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御年90歳になられる禅師様の手になるタイトル文字。禅師様は若い頃から良寛さまが好きだったらしく、その行状は勿論研究書の類にも詳しいお方である。禅師を「今良寛」と称揚される方もおられる。解脱のひと、良寛。確かに禅師様には「只の禅」にふさわしい奥の深さと柔らかさがおありになる。

お会いするたびに春風に吹かれてなんともない自己であることに気づかされるのである。ありがたいことと言わねばならない。エッセイ集にはそんな板橋禅師様との出会いなども書かれている。三章に分かれており、それぞれ「仏弟子としての私」「隣人としての私」「俳人としての私」といった具合である。

とくに第一章は自分史といってよい。
出版は、出家以前や出家以後もお世話になった多くの有縁無縁の方々への報恩の思いが強い。私という人間の履歴書にして設計図、始末書にして遺書のようなものとなろう。


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「鼠」

図体のうち寄せられし朝寝かな

居留守してゐます蛙のめかり時

春泥を捏ね回しては国生まれ

猫柳鼠溺るゝ川の瀬の

明日は帰ると決めたる磯に遊びけり

夢を語れば浜の虎杖伸び已まず

古草に坐れば海の青さあり

春の夜の家咬む二十日鼠かな

追ひつけぬ夢あり風船が空へ

ぶらんこに幼きわれが今も坐り

日を浴びて化けそこねたる田鼠かな

家出して春三日月にぶら下がる



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「ひらく」

チューリップ咲くといふよりひらくなり

海棠やうすくれないに花ひらき

囀りや空が閉じたりひらいたり

たんぽぽはひらきっ放しどこまでも

ほの暗き小筐とひらく貝母かな

夜桜や裏木戸ぎいとひらくなり

鯉の口ひらいて落花流し込む

ひらいたりむすんだりして野に遊ぶ

柄杓星見ゆる北窓ひらきけり

種蒔くやまなこみひらくやうにして



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「棒」

棒をもて春野を叩きゆく男

たいがいのことは恕せるさくらかな

用もなく立ち寄る蛙鳴き止みぬ

訳もなく春の川べりどこまでも

手すさびに掻き回したる蝌蚪の国

ちょうどいい風ある土手のすみれかな

菜の花や逃げも隠れもできぬなり

花筏掬はむとして流れけり

花と曇るフランスパンの固さあり

言はれなくても一人静にしゃがみ込み

能登はいま田ごとの落花鋤き込んで

天と地といづれさびしきさくらかな











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