再生への旅

アクセスカウンタ

zoom RSS 今日の以心伝心・最初に愛ありき

<<   作成日時 : 2016/05/31 16:38   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像


花は葉に逃げ果せたる思ひあり 玉宗



アメリカのオバマ大統領が広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花しメッセージを述べていた。
嘗て日本とアメリカは戦争当事者であった。日本は連合国との戦争に敗れたのか、終結させたのか、といったような歴史観さえ議論の分かれるところである。原爆がおぞましい兵器であることは誰もが知っている。核抑止力といったパワーバランスさえある現実。まさに人類の手に負えない代物であることを証明して余りある。
日本とアメリカは現在「同盟国」ということになっている。それはそのままアメリカと日本が「理解」しあっているということになるのだろうか。国と国が理解しあうとは、文化や経済産業、その他様々な国家体制との隣人として付き合える許容を持ち合わせているということになるのだろう。そこには為政者は勿論、為政者を支えている国民が関わっている国家の「利益」があるのだろう。

嘗ての敵に胸襟を開き、心を許し、受け入れる度量といったものが個人は勿論、その集積でもある国家にも色濃く表れる。国民性。人に人柄があるように、国にも国柄があるのだろう。そこには人間一人のこころの問題だけではなく、時間と空間といったような人間の欲望を超えた領域の力学が少なからず影響しているのではないのか。人間とは「環境の動物」でもある。

人類の歴史はつい最近まで、いや、今現在も争いの歴史でもある。それはもうほとんど本能といってよい人間としての正当な欲望なのだろうか。宗教とはなんだろうかと改めて思わざるを得ない。争いの絶えない、争いや奪い合いが人間存在の条件である現実の中で、宗教とは如何なる筋合いのものであり、如何なる領域へ人間を誘う試みなのであろうか。争わなければならないかの如き存在者にとっての神や仏とは如何なるアリバイ証明なのであるか。

人間社会が織りなす欲望界隈には様々な有為転変、四苦八苦が伴うものである。人類の歴史とはあまりにも容赦なく、厳しく、無情な現実を生きていくために、「宗教」といった「受け身」「寛容さ」を並行して学んできた歴史でもあっただろう。寛容でなければ生きていけなかった存在者。人間は「寛容なる動物」でもあると思いたい。

争い合う人間はまた話し合うことによって理解しあえる人間でもある。疑念や不信を増長することもある人間同士であるが、誤解や憎悪が氷解し和解しあえることもある。そこには「和解」といったような作為ではなく、先ず「愛」を求める「こころざし」があったと言いたい。人間は「志をもって生きる動物」でもあろう。「愛」とは言葉を代えて言えば「無私なるもの」があったということだ。人類はどこまで「無私」を学ぶことができるだろうか。

人類はその愚かさに滅ぶことは間違いなかろう。人類の愚かさとは何か?
それは「己を知らない」ことに尽きるのだと識者は言う。無私にして、世界と一体である、ありのままの世界で生きている、「己」。自己という偶像崇拝に陥りがちな人間。世界は今もなお「本来の帰るべき自己」を見失っているように思えてならない。



画像


「宿六」

鴨足草ニンフのごとく風に揺れ

源五郎駆け出すやうに泳ぐなり

虹を渡ると言ひしばかりに侮られ

宿六と留守を預かる金魚かな

花菖蒲脱ぎ捨てられしごとくなり

暇さうでせうがない花南瓜とも

目高飼ふしがなき男なりにけり

日傘して行方の知れぬやうにゆく

風薫る絶望してもしなくても

その日暮しの気楽さにあり蠅生れ



画像



「もやもや」

これがその梅花うつぎといふらしく

玉葱の置きたる如く出来上がり

咲き満ちてもやもやもやと栗の花

川の面を走る涼しさありにけり

茅花抜くひとり捨て子のやうにして

手弱女のおろそかならずあやめ咲く

夏茜だれのものでもない空の

夏茱萸やふるさと帰る由もなく

抜きんでて夏を焦がるゝ薊かな

どさくさに紛れ確かに不如帰

金魚より元気に泳ぐ目高かな



画像


「俳諧」

俳諧はほとんど端居少しふだん着

蠅叩翁に持たせてやりにけり

欲少なき子規の写生や風薫る

統べたがる虚子の天地や蜘蛛の子散る

毛虫焼く杉田久女の墓の前

日傘して太宰治の墓参り

万太郎の麦落雁に噎せ返る

ラムネ呑む石田波郷の意気込みで

蠅もよろこぶ兜太のうんこ雲の峰

角落ちて長谷川櫂のやうな貌

杜鵑汀子の空に深入りす

たんぽぽの絮を吹き消す坪内家

先生の活けしあやめが杜若

西日ゆくうしろすがたの山頭火

蛍火のただなんとなく憂かりけり

ここにきて五月も晦日明日は六月




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
今日の以心伝心・最初に愛ありき 再生への旅/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる