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zoom RSS 今日のばかやろう・いのちの尊さ

<<   作成日時 : 2016/09/04 16:23   >>

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朝顔やいつもと同じ夢を見て 玉宗

重度障害者施設での殺傷事件がまだ記憶に新しい。19人をもの多数を殺めたという報道に思わず耳を疑ったことである。障碍者への偏見の極みが生み出した悲劇。「いのちの尊さ」というものを改めて現代へ問いかける事件でもあった。他人事ではない。私たち一人ひとりの内に、障碍を持って生きている人たちへの差別意識、優越感といったものが巣食ってはいないだろうかと思わずにはいられない。

いのちの尊さとはよく耳にもし、口にもする我らであるが、それはいったいどのような筋合いの尊さなのであるか。いのちの存在条件といったものを考えてみるに、それは限りあるものであり、他に以て代えられないものであり、依存的でありつつ独立的であり、相互的でありつつ絶対的であり、比較的でありつつ比較を絶しているものである。いずれにしても、「尊さ」に対するこちら側の自覚が試されている。人はそれを自己の内外に学んでいかなければならない。自己のいのちの実相をまっすぐ受け入れることができないものに他者のいのちの尊さを重んじることができるものだろうか。そういう意味では加害者とは自己のいのちを殺めもしたのである。世法的にも償いを逃れられないことは勿論ではあるが、仏道的には二重の咎を犯したものと言わざるを得まい。

いのちは本人が思い込むほどに狭くもなく広いものでもない。あるがままというのが仏道のあり方であろう。いかにいわんや、他者が殺めても構わない筋合いのものでは絶対にない。それは神様だって許されるものではなかろう。そのような存在そのもの、存在することそのものの重大さ、今、ここにあるいのちそのものの光りがあろう。諸行無常の実相の中で、そのようないのちの危うさがある。自然死にしても、事件事故にしても限りあることに変わりはないが、それにしても、障碍者だからとして殺めることが許されるはずもなかろう。彼らは謂わば「弱者」である。加害者に言わせれば、弱者を支える社会があることさえ許しがたいのだろう。

それは盗人も猛々しいと言わざるを得ない詭弁、言い逃れである。彼に欠けているものは社会性であるといっても構わないのであるが、もっと本質的に、つまり仏道的には「本来の自己」への自覚こそが欠けていたのである。ことほど左様に人間は妄想に業を重ね、命を粗末にする動物なのでもある。他山の石と安閑としてはいられない。

私は、今、ここに自己のいのちの尊さを生きているのかどうか。そのような眼差しと自覚こそが、他者や障碍者への寛容さや寄りそう心を育てるのではなかろうかと思う次第。合掌


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「日和」

腹空いて引くに引けざる藜かな

稲扱きの結の馳走や赤芋茎

生きながら伝説となる唐辛子

雁や愈々水の怖ろしき

遠ざかる星あり鮎の錆びにけり

まだ菜ともいへぬものより間引くなり

日の下に色を尽くせり草の花

方丈に褌干され鵙日和

お目出度い男が通る菊日和

恋するに願ってもなき稲架日和

龍潜む淵に背泳ぐ星の夜

越境も叶はぬ土手の南瓜かな

いつも通るいつもの道のねこじやらし

夜は沖の月にまみゆる芒かな



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「雲の行方」

明日は帰る燕の空や遥けくも

手の鳴る方へ飛んでみせたる螇蚸かな

誤解より和解は難し小鳥来る

神代より絶えぬ戦禍や鵙の贄

空しさを腹に据えかね稲雀

狂ほしき能登の残照鯔のとぶ

はぐれたる雲の行方やいぼむしり

さんまさんま昔家族のありにけり

好きなだけ鰯をやると言はれても

背筋よく実に見事な初秋刀魚

月さして月より遠き虫の声

子育てに迷ふちちろの夜なりけり

鬼の子の寝返る月のさゆれかな




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「臍の緒」

能登沖に走る白波小豆稲架

芋の露もんどりうって零れけり

朝顔やなにもなかつたことにして

臍の緒の行方も知れず秋の風

秋晴や満ち足りてゐて何かある

同胞はみなちりぢりに鳥渡る

嘗てあり露草ほどの美しきもの

天高くご飯ほつこり炊きあがり

父も母も兄も天上夜の芒

遺されしものに影あり星流れ

生き死にに力尽くして菊膾

生きてあれば野分たのしも鳶の笛

蓑虫や月の向かうに恋をして



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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。他を助ける気持ちが無くなれば、こういう事件を起こしてしまうのかなと思いました。弱い者を殺して正義面をして開き直っている、そうして実はその当人自身を傷つけているのにも気づかない、何とも恐ろしいことだと思います。自他ともに大切に出来る心、それを養うために私自身は何が出来るのか、それを考えると、これまた恐ろしいなと思いました。私自身の心をどうにかすることから始めなければ、そう思いました。
G
2016/09/04 22:04

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