再生への旅

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zoom RSS 今よりほかになかりけり

<<   作成日時 : 2016/11/09 17:47   >>

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歳月を指折り数へ七五三  玉宗  

永福寺晋山式も終わり、弟子は僧堂へと戻り、残務整理に勤しんでいる師匠である。心配していた虚脱感のようなものは今のところない。ご隠居はご隠居で日々更新。永福寺では前住職ということになるが、まだ興禅寺の現住職ではある。いずれ弟子に兼務して貰うことになろう。煮て喰うなり、焼いて喰うなり、弟子は弟子のやり方でお寺作りをして行くことになろう。いかなければならない。

つくづくと思うのは、晋山式のような一世一代の大法要は勿論のことであるが、小さいながらも、お寺の行持といったものは、檀信徒や寺族などの協力、支援がなければとても叶うものではない。そのような期待に応えていただけるためにも、日々の誠実な暮らしぶりや教化は勿論、自己の脚下に目覚め、一歩一歩を確かなものとしていかなければならない。なにごとも一朝一夕に成あるものではない。信頼を失うには一瞬でも足りるが、信頼を得るには日々の嘘のない行持の積み重ねの必要である。そのような努力、精進はどの社会でも欠かせないものであろう。

仏弟子として本懐であり、面目でもある「自己を忘却して天命を尽くす」といった生き方。それがそのまま檀信徒の教化なのである。法輪を転じ、法輪に転ぜられ、自己を転じ、他己を転じ、自己に転ぜられ、他己に転ぜられ、そのようにして諸行無常の人生に棹さして生きる。行持同環。円相の様子がそこにある。明日があると疑わずして人生を夢みたり、あてにしたり、絶望したりするわれらであるが、根拠のない妄想諸共やがて死ぬいのちではある。生き死にというも今よりほかになかりけりと、身にも心にも肝にも銘じていたいものではあるね。



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「けもの」

これよりのけもの道なる木の葉かな

行儀よき電信柱冬来る

冬に入る心残りのやうなもの

冬紅葉まなざし遠くありにけり

夜遊びの人と狸がすれ違ひ

綿虫の舞ふや目薬指す高さ

堂奥に眼光れる十夜かな

冬眠の銀河の眠り始まりぬ

父が来て大きく坐る冬座敷

ごろすけほう丑三つ時のしづけさの

妻の閨へ蒲団担いでゆくところ




月冴えてまあるく眠るけものたち



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「父」

咳をして赤き実零すごとくなり

父といふ仄暗きもの焚火せり

木立より仰ぐ夕星冬安居

奥能登のそのまた奥に冬籠

木枯らしを電話ボックスに閉じ込めて

初しぐれ猿も団子となりにけり

その中に父のをらざる冬景色

枯野みち勝手口より続きけり

そろそろと梯子登るや神無月

母がゐて家族相寄る炬燵かな

食パンに固き耳あり今朝の冬

山眠る酔ひつぶれたる父の如くに


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「細み」

雪がふる前の一瞬ありにけり

子を呼んで庭の初雪仰がしむ

初雪に脇の甘さのありにけり

そら涙ほどの初雪なりしかな

けふも又ひとり落葉を踏むばかり

冬菊の光陰淡き細みあり

山一つ越えて来たりし林檎売

冬紅葉今わの際の色となり

痺れある如くに弾け初霰

容赦なき風に慄く木の葉かな

凩の果てをどこまで行つたやら

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