再生への旅

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<<   作成日時 : 2016/11/15 18:01   >>

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落葉掃きならば誰にも負けはせぬ 玉宗


今日は一日中興禅寺の落葉掃きをしていた。
晋山式の残務整理でしばらく留守にしていたこともあるが、凩の後始末といった感じもある。藤棚の選定も兼ねたので尚更時間が掛かった。日の暮れも早い昨今。あったという間に一日が終わったという感じ。
明日はNHK金沢が来年の能登半島地震から十年に因んだ番組制作のための取材に来る。もう十年が経とうとしているんだね。十年一昔。その変わり様。その変わらない様。

能登半島地震に被災して実感として強く気付かされたことがいくつかある。
災害にあうことも「縁」であるということ。諸行無常の在り様を端的に学んだという事。それらは私の都合でどうにかなったり、ならなかったりするようなものではない。「縁」は私の恣意で選べるものではないという当たり前のいのちの現実を知らされた。選べるものではないからこそそれは人生の宝なのであり、その「宝」を「どう活かすか」といったことが私に試されている。

生きるとは「縁を生きる」ことであり、それこそが「生きる意味・意義」の一つなのである。「仏弟子と何か?お寺と何か?」といったことに関して改めた考えさせられた契機であったということ。ものとこころ。生きるために喰う・喰う為に生きる。どちらも真実である。人間は志しなく生きていけるものでもないし、志だけが先行して生きているわけでもない。危うく、かけがえのない命をどんな人生に賭けるのかが銘々に試されていることはまぎれもない事実であろう。これもまた人それぞれの「縁」としか言われない「旅立ち・飛躍」といったものだ。私が仏弟子を選択したのも、つまりそういうことである。そんな私が「お寺」を失くしたとはどういうことだったのか?「お寺を再建する」とはどんな意味があったのか? 

答えのないままに、始めた再建托鉢。その日々の「行」そのものに気づかされる。「托鉢行」という「三輪空寂」の「事実・今」の中に「仏弟子であることの本質」があるのであり、「仏法の全体」があるのだと云う事。そこには「今の事実に掬われている私」がいる。「今の事実に足りている私の命」がある。「仏道」とはつまり、今のいのちに目覚め、戴き、尽くすということであってみれば、「お寺」という「伽藍・かたち」が先にあって、「道・行」が備わるのではないということ。「ものとここころ」はつねに「同時」である。今、ここが、道の全体であるのだと云う事。今、ここに、成道し、修証し、涅槃し、諸行無常し去る。自己を担い切るということ。お寺の再建は私自身の再建であった。それを忘れてはならない。私の日常とは日々自己更新。自己再生のことに他ならない。妄想せず、かまえることなく、雲の心、水の意のままに今を戴いて生きていこう。


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「このどのあのその」

この霜が蕪を甘くするのだと

この風が大根干すに佳かりしと

どの顔も暮れてゐるなり夕焚火

どの面を提げて来るや闇汁に

あの頃と違ふとおもふ帰り花

あの雲が零してゆきし初時雨

この頃の陰りやすさよ干菜風呂

この頃の火の恋しさよ猫も杓子も

その筋のものが一文字ぶら下げて

その人と別れてよりの寒さかな

あの穴に熊が入るのを見たといふ

あの人もやつぱり後の更衣



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「じたばた」

山茶花や日は午に迫るみちのべの

綿虫の尻に火のつくゆふまぐれ

じたばたと冬の日暮れが来てをりぬ

茶の花やしづかに雲のうつろへる

雨だれの弾けて八つ手花となる

肩の荷を降ろせとばかり雪婆

わらんべを浚ひたる日の短さよ

風走る銀杏落葉を蹴散らして

歯が抜けてしまへり穴と冬めけり

暮れてゆく水に大根洗ひをり

神の留守パンツのゴムが伸びきって

股引が蛇蝎のごとく脱がれあり

何処へ行く跫ばかり冬木立



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「母の空」

働いてばかりの母のもんぺかな

北の地に生きたる父の褞袍かな

お下がりの冬着も兄の遺品なる

角巻の姉に恋して以来なり

雪吊やおどけもならぬ北の空

冬座敷遺影ばかりに囲まれて

ねんねこや淋しらの空母の空

鱈船の纜に雪降りつもる

時化続く沖見てをりぬ頬被

冬鷺も肩を窄める世の寒さ

明日は帰る実家の厚き蒲団かな

ふるさとの味やしょっぱい三平汁






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