再生への旅

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<<   作成日時 : 2017/01/14 16:33   >>

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ふるさとの雪のにほひや春星忌 玉宗

全国的に寒波襲来の影響が出ている昨日今日。輪島も今冬一番の冷え込み。積雪も山間部では60から100センチの予報である。市内は今のところ10センチほどかな。寒行托鉢も10日目。興禅寺の檀家さんが亡くなり葬儀となった。今日などは吹雪模様ということもあり、托鉢をするかどうか躊躇したのだが、まあ、経験から恐れることもなかろうと判断して通常通りに托鉢を決行。

亡くなった檀家さんは大工さん。齢86歳。能登半島地震被災以前から興禅寺の普請には力を貸していただいた方である。地震では自宅も被害に遭った大工さんである。被災後は、弟子もなく一人で老齢ながらこつこつと自宅を手直しされていたのが印象的だった。枕経に伺うと、嫁がれた娘三人と奥さんが湯灌と死出の旅路の用意をしていたのが微笑ましくも胸が熱くなった。

気さくで飾らず、神仏を崇め敬うことには誠を尽くす人柄だった。仕事は言うまでもなく職人気質を持ち合わせており、綿密な仕事ぶり。全壊前の興禅寺に関して、嘗て大工の目利きから、100有余年前の本山移転に連座して廃寺となったり移転を余儀なくされた直末寺院の廃材を再利用していると指摘してくれたのを覚えている。倒壊を免れた山門の本山の通用門を移築したものではないかとも言っていた筈だ。興禅寺再建に当たっては是非手を貸してくださいと再三お願いしたのだが、高齢と自宅の修繕を理由に辞退された。

被災後、奥さんと二人でやすらかに暮らしていた矢先に倒れられ、療養されていた。尽くし尽くされた夫婦なのだったのだろう。遺された奥さんの少なからぬ動揺が見て取れた。
門前町は高齢化と人口減少に歯止めがかからぬ。住職となって四半世紀以上となり引導を渡し故人をなった人の数も50人を超えている。またひとり大事な人がいなくなり、面影の人となった。遺族にとって故人が生きていく力となり寄り添う「面影」となってほしいと切に願っている。合掌




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「酒場」

北風や空が破れてゐたるかと

乾びたる羊歯の反りにも松過ぎの

山茶花の身もふたもなき散り様で

笹を打つ雨の音にも小正月

衆目に晒し鮟鱇吊るし切り

猪罠を仕掛けし夜の酒場かな

狩人や申し訳なき顔をして

猪を捌くに五人がかりなる

海鼠なる足手纏ひのなき憂ひ

水仙や固く閉ざせる蜑が家

浦々の屋根より高き冬怒涛

北前やどの路地からも冬の海



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「見も知らぬ男」

厠より見ゆる白波寒波来る

水仙の己を恃む香なりけり

門松を外せし次の日の葬儀

寒雷や夜の帷を引き裂いて

雨に日に首を擡ぐる藪柑子

滝凍てゝ月の蒼さを孕みけり

見も知らぬ男が梅を探りをり

遥かなる風の唄あり冬鷗

嘘も誠も押しくら饅頭出でしより

家族とは一線を引き雪達磨


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「どや」

どやどやと上がり込みたる囲炉裏端

ポケットの中はエロスね寒波来る

毒入りの実家の氷柱かと思ふ

空はまだ閉ざせる能登の蔵開き

首折れて白鳥眠るかたちなす

石女の尼が暮らしや寒卵

双六を上がれぬまゝに老いたるか

狐火の夜の弔ひなりしかな

人類は絶滅危惧種冬景色

どや顔のそれは大きな真鱈かな

一人ではつまらぬ煮込みおでんかな

天上に誰か鈴振る風花よ

どやどやと裸祭や湯気立てて

誰も信じられない赤き目をした兎かな

悴みし手もて社会の窓探る

綿入や頬っぺた赤きみちのくの

鴛鴦の夫のどや顔哀れなり

絶望に明日ありとせば海鼠かな

寒鯉の水面に揺らぎなかりけり

風花の峠を越ゑゆく僧ひとり



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