再生への旅

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zoom RSS 般若経を転じるとは?!

<<   作成日時 : 2017/11/18 04:46   >>

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しばらくは風に仕へて冬籠 玉宗

今日は午後から興禅寺の観音祭・大般若経転読祈祷法要である。
總持寺祖院専門僧堂から大衆さんのご法助を受けて修行する予定である。内容的には先月行った永福寺と同じもの。大衆さん達には大般若経六百巻を転読して戴き、導師である私は理趣分経という大分の経典を真読する。

私は宗門の祈祷は「般若を転ずる」というところがその要旨であると認識している。
願い、祈りにも人様々な思いが込められている。それは人類発生以来のことと言ってよかろう。いつのころからか祈祷師が出現し、彼等は願主に神仏の意思を伝達した。或いは中には願主の願いを叶え、祈りを通じさせたという者もいたことであろう。それは未だ天地と人が未分化の時代のことである。自然の中で生かされていた野趣豊かな時代の話。私はそれを否定はしない。現代でも時々そのような事例が巷間より報告、伝聞されることが少なくはない。

今此の時でさえ、地球上では多くの祈願の声が渦巻いているであろうし、それに応えようと多くの祈祷師が孤軍奮闘し汗をながしているであろう。それにしてもである。中には個人的視野の祈願だけではなく、公的な祈願もあるだろう。そのどれもが叶えられたと想像することはできない事はないが、到底可能な事ではないと確信している自分もいる。

大方の欲望はむなしい。それでも祈願せずにはいられない私がいる。念じられずにはいられない弱きわたしがいる。昨日叶えられなかった願いが明日は叶えられるかもしれないと思い、叶えられないことに失望し、果ては天地人を恨みかねない私がいる。畢竟、ひとの祈願とはむなしいものなのかどうか。本来的に叶えられないものとそうでないものがあるのかどうか。一喜一憂し、右往左往し、喜怒哀楽し、毀誉褒貶し生死去来することを飽きもせずに繰り返して人生に弾みをつけなければ生きて行けない弱い私がいる。

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仏道はそれでいいのかと試されているのだと思う。

般若経転読の祈祷とはそのような人間の欲望の彼岸へ導き、気付く方便である。
念ずれば花開く。念じていますぐここに花が開く訳ではない。然しながら「念じているいのちの充足」は今、ここの姿であることは間違いない。般若とは諸法を転じるところの働きそのものであり、実相をして諸法ならしめ、諸法をして実相ならしむるものである。智慧、それは私の欲望の恣意を遥かに超えて行ったり来たり、あったりなかったり、諸法をかくあらしめているばかりである。今を今あらしめ、過去を過去あらしめ、未来を未来あらしめる。諸行無常を諸行無常あらしめる。自己を自己ならしめている。智慧という法の云為。そのような知恵をわがものとし、自家薬籠中のものとする知足の法がある。般若を転じるとはそのような自己をして自己に決着ならしめる機縁でもあろう。気づき、知見を開く。

もとより、生きるも死ぬも、喜怒哀楽も、いつでもどこでも、何の不足もない、あるがままの命を今も戴いている。祈願とはそのような自己に何かを足したり、引いたりすることであって言い訳がない。まして自己以外の界隈に有為の祈願をめぐらすとは妄想以外の何物でもなかろう。

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念ずれば花開くとは般若を転ずることでなければならない。智慧を自由自在ならしめることでなかればならんだろう。般若が自己を転じ、自己が般若を転じ、般若が般若を転じ、自己が自己を転じる。また、念じるとは菩提心を起こすと言い換えてもよかろう。欲望を越えたなんともないところへ自己を誘う「菩提心」。菩提心が自己を転じ、自己が菩提心を転じ、菩提心が菩提心を転じるのである。世界と一如ならしめる。一如なる自己への気づき、誘い。

そのようなわけで、祈祷する私は願主以上に無心であらなければならない所以も那辺にあることを了解していただけるであろう。共に無心なる領域へ躍り出るための「行」なのである。そこに感応道交する因縁が現成する。そのような一大事因縁の他にどんな恩恵、御利益があるのだろうかといいたい。





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「愛」

愛うすき家はとびきり冬の暮

皸も母が形見と手入れして

ふるさとの飾らぬ味の寒さなりけり

源助の作りし大根今もなほ

侘助の愛にとまどふ花のかたち

白き山冬の木立の間より

一本で間に合ふ葱を抜いて来る

玉子酒捨て置かれたる味はひの

実家なる山の馳走や滑子汁

一途なる愛は恐ろし冬薔薇

アガペーに見放されたる海鼠かと

熱燗に疼く瘡蓋ありにけり

雪吊りの少し緩めの張りぐあひ

ゼロ番線ホーム木枯し到着す






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