時の扉を開けて

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家族といふ春の日向のやうなもの 玉宗


「時の扉を開けて」


生きることは

まだ見たこともない

時の扉を開けてゆくようなもの

囀りや呪文のような声が聞こえる

胸の奥に燠を灯し

悪戯っ子のように扉の前に立たされた

何処へも行きたくなかったけれど

誰も応えてくれないから

勇気を出して

遺言のような詩を創り

手応えがない裏木戸の扉を開けた一人旅

泣いているような星の輝きも

落葉を踏む音も

薄氷の危うさも

人間の生々しさも

幹の乾きも

桑の実の甘さも

眠ることの嬉しさも

みんな心の洞に響いた

そして

いつの間にか忘れてしまった

不思議に満ちあふれている世界

何度も自分を裏切った

言葉や苦しみ以前の

私の神話に出会うために

生きること

それは

まだ見たこともない扉を

押したり引いたりするのに似ている

生きること

それは

百年後の自分に出会う旅のように空しく美しい








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この記事へのコメント

yoshiyoshi
2011年03月08日 08:04
誘われて手でそっと押す春氷    よし
みどり
2011年03月08日 12:01
 よく理解出来ないのですが、なにか感じられるものが流れています。
今日を生きながら、此処には此れ迄の生きてきた哀しみ喜びも重く厚く重なっています。
そうして未だ開いていない明日という無限、決して疎かに出来ません。

 ところで、おそれながらの質問です。
3月1日の記事でしたか?に幾つかの俳句がありましたね。
まとめの言葉は「臍の尾」になっております。
何かの拘りで敢えて此の尾をお選びになったのでしたら、ごめんなさい。
古き女は「臍の緒」と書きます。吾児とつながる玉の緒の愛しさ切なさ。少し気になりました。
市堀
2011年03月09日 11:01
 yoshiyoshiさま。
誘われて・・・ん~、その辺が詩人ですね、私に言わせれば。(笑)

 みどりさま。
ご丁寧な鑑賞ありがとうございます。
「臍の緒」が一般的ですね。
ご指摘ありがとうございます。
合掌

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