掌の林檎を愛のやうに渡す 玉宗「林檎」
生きて来た涙の総量のように
たっぷりと
いくつも吐いてきた嘘のように
ひんやりと
死んでしまった母のように
懐かしく
何度も繰り返した失敗のように
よそよそしく
優しい神様の忘れもののように
謎めいて
死んでゆく私のアリバイのような
影法師
誰かが置いたということもないのに
いつの間にかそこにある林檎
ナイフを入れるその日まで
人生の苦楽がそこにあるのように
月の雫とでもいうように
林檎はいつもそこにある
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