更衣

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はまなすや海に曳かるゝものの声 玉宗


「海と私」


夢から目覚めたやうに

しづかな海を見てゐた


生きねばならないもののやうに

きれいな風に吹かれて


人生のすべてが

いつの間にあんなに遠い海原


あれは取り返しがつかない

生きてしまった私の沖


なにもかもがまぼろし

なにもかもがほんと



海は

生きることの虚しさのやうに美しい




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「更衣」

かんばせに朝の光りや更衣

衣更へて逃げおほしたる思ひあり

更衣よそよそしきは脇の下

朝の妻鋼のごとし鉄線花

かがようて空を眩めて若楓

姫女苑生き訣れたる兄妹

えごの花空に影して垂れにけり

はまなすや海に曳かれしものの声

おほかたは骸を運び蟻の列

ふりかへる蟻の孤独を思ふなり






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