再生への旅

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zoom RSS 五合庵追想

<<   作成日時 : 2018/08/25 04:46   >>

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椿の実落つる音にも五合庵 玉宗

私の憧れのお坊さんは「良寛様」です。
今年の春先に長年の夢であった良寛様の隠棲された新潟出雲崎の「五合庵」を訪ねることができました。寺泊にある「良寛記念館」ではなく、正真正銘良寛様が息をされていた国上寺境内にある「五合庵」です。

良寛様は18歳で出家してから中国・四国・近畿地方を行脚し、善知識を訪ねて歩きました。良寛様三十八歳の折、京都に滞在中の父親が桂川に身を投げて自殺したことお受けて、何故か越後に帰ります。

越後に帰った良寛は、寺泊の照明寺、野積の西生寺等々約10年間処定を定めずに居を移していました。
文化元年(1804年)五合庵に住んでおられた国上寺の前住職義苗和尚が亡くなられた後、47歳の時に五合庵に定住します。思えば出家してから三十年、永い漂泊の旅からやっと安住の地を得た訳ですね。

「焚くほどは 風がもてくる落葉かな」

良寛直筆の、この落葉の句碑が五合庵のそばに建てられています。
五合庵の名は国上寺の客僧萬元が貫主良長の扶養を受け、毎日粗米五合を寄せて頭陀の労を援けたことによって名づけられたというものです。現在の堂宇は良寛在庵時のままではなく、大正3年の再建のものですが、境内の奥まった一隅にひっそりと佇むその様は、良寛様の境涯を慕うものには胸に迫るものがあります。


「いざここに 我が身は老いん 足びきの 国上の山の 松の下いほ」


その後良寛様は、乙子神社の草庵に10年住まわれ、さらに島崎の木村元右衛門の小舎に移り、天保2年(1831年)正月、74歳で亡くなられました。墓は同村隆泉寺に建てられています。その葬儀には千人に及ぶ弔問者が連なったとか。

良寛様は越後に帰ってから、晩年島崎に移るまで、約30年国上に留まっていたことになり、今日残っている多くの詩や歌や書は大部分が国上山に住まわれていた時代の作ということになています。現在五合庵は新潟教育委員会により県の文化財に指定され、永久に保存することとなっているそうです。

国上寺は真言宗豊山派寺院ですが、曹洞宗のお坊さんが真言宗のお寺の境内に庵を結んでいたということです。良寛様は一応「曹洞宗」のお坊さんに属しています。一応と言ったのには、良寛様自身に宗派意識などなかったと私には思えるからです。昔は今ほど宗派間の垣根がなかったものか、互いの往来が緩やかだったのでしょうかね。

それにしても良寛様はその詩文を拝読する限りに於も、、お釈迦様から道元さま、そしてご自身へとつながる仏法の絆を強く感じてはおられたことが察せられるのです。そのような一本の道に生きる矜持は感じられるのですが、所謂宗派意識とかセクト根性とか、衆を笠に着るとか、徒党を組むといったことへの関心など持ち合わせておらず、それどころか、そのような世界から離れようとしたご生涯ではなかったのかとさえ思う訳です。

良寛さんの一念とは、ただひたすら「解脱」することにほかならなかったのではないかと。自己の決着のほかに何の求心もなかったのではいかと。そして、ついには求心さえ抜け落ちた「解脱の人・ただの人」になられたのではないかと思う訳です。

混迷する現代日本の宗教界に生きる末世の比丘が憧れ、慕う所以です。合掌。



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「お〜い」

朝顔や光陰淡く過ぎぬやう

能登沖を望む棚田の案山子かな

処暑の妻小さき旅へ出たがりぬ

コスモスや勝手気儘に風とゆれ

新涼やお〜いと妻を呼ぶにさへ

文月や遺す言葉もなかりけり

凝りもせず元の木阿弥蓮は実に

ゆらめいて吐き出すやうに萩の風

露の猫尻舐めてまた何処へやら

夕風に生きた心地や蜻蛉群れ

手に負へぬ妻の如く来る野分



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「どっこいしょ」

生き別れ死に別れして爽やかに

ふるさとの稲穂の波に船酔す

とんぼとんぼ風の使ひの蜻蛉かな

秋の蝶転校生に来て止まる

竹春の腰の重さよどっこいしょ

塩辛蜻蛉つかず離れず消えにけり

蛇穴について来いとも来るなとも

明日が見えぬと土手に上れば蕎麦の花

生意気さうな玉蜀黍をへし折りぬ

どうしろといふのかつくつくつく法師

虫の夜消え入りさうでならぬなり

鬼の子や月の梢に捨てられて



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