再生への旅

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zoom RSS もの足りないままに生きる。知足の法、ってどうよ?!

<<   作成日時 : 2018/11/11 05:31   >>

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生ながら眼枯れゆくいぼむしり 玉宗


小欲知足という言葉がある。
欲少なく、足ることを知る。これは倫理道徳だろうか。仏道的にはいのちの戴き方を言っているものと思いたい。
欲が多いか少ないか。足りているのかいないのか。それを知っているのは誰なのか。知るとはどういうことか。

眼前に展開する生老病死がある。諸行無常がある。それは私の外を向いた目に映る有り様でもある。ところで、目はなぜ外を向いているのか?それは内なる領域への鍵となるからだろう。或いは鏡となるからだろう。人間は科学や哲学や宗教という目をもち、内外に無限大なる宇宙を見ようとする。閉ざされた系にして開けっぱなしの宇宙。

そのような次第の存在者である私は、いのちの尊さ、人生の意義といったものを何を拠りどころとして量っているのか。

人間と云う動物が社会的な存在者でもある側面からすれば、その社会的能力によって評価される価値の展開が確かにあろう。人間模様があり、欲望のやりとりがあり、暴力の連鎖があり、愚かさの上積みがあり、宝の持ち腐れがあろう。然し、そのような相対的評価や価値観だけでは計り得ないいのちの尊さといったものがないのか。一人ひとりが如何ともし難く、誤魔化しのきかない、人生の展開がある。

社会的な意義づけを横軸とするならば、個のいのちひとつづつの深み、豊さを掘り下げることによって量り得るいのちの縦軸といったものがある。次元がある。欲望界隈だけでは左右されない時空。座標がある。そこには欲望を越えることによって得ることができる、いのちの清浄さ、まっすぐな眼差し、ありのままを受け入れる感性といったようなものが育まれる。

生老病死、四苦八苦、怨憎会苦、毀誉褒貶、なにがあってもなんともない、もの足りないという思いながらも足りているいのちの安寧がある。実物そのものがある。清浄なるいのちの尽力がある。ひたすらなる、それそのものの光りがある。覿面がある。施しがある。寛容がある。なんともなさがある。

仏道とは竟にこのような、自己を徹底深める、いのち掘り下げることに生きることにほかならないだろう。
空の空なるかな畢竟空なり。信仰を持って生きるということ、仏の方を向いて生きて行こうすること。死者生者を供養し、弔うというようなことも、わが知足のいのちの賜物であるからにほかならない。一体であるからこそ無私であることが可能なのだ。

そのような自己であることをまっすぐ戴く無心なる能力、感性。それそのものでありつづける。自己を清め、澄み渡る。無用の用といった大用が現前し、空なるままの去来、いのちの展開、自己の自己たる安寧があるのではないか。ぶれず、行き詰らない生き方。それこそが欲望を越えた彼岸なのであり、「越える」ということの実際、自己を信仰する宗教の所以ではないか。

ものたりないという思いのままに足りているいのちの充足がある。事実がある。知るとは生きると同義なのだ。いったい自己以外のだれがわが命の「足、不足」を知り得るというのか。いのちそのものにとって、もの足りないなどといったことは大した問題ではない。欲の多少も然りである。どこまでも自己が自己を真っすぐに引き受けることにほかならない。



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「葉」

はるかなるものへと木の葉しぐれけり

花は葉に毬と弾けし八手かな

葉や朽ちて雲のゆくへも知らざりき

この道を行くや落葉松散るばかり

黄落や葉ごとの光りぶちまけて

落葉踏む夢の入り口出口とも

しづけさに天降る木の葉のありにけり

身を捨つる渓の深さや散る紅葉

風立ちて枯葉駆け出す交差点

とどまらぬ月日の落葉掃きにけり

月光に身を反り返す濡れ落葉

木の葉舞ひ空の剥落はじまりぬ







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「二の足」

冬めくとなれば二の足三の足

残る虫残らぬ虫も神無月

蓑虫の跡形もなく空残り

草枯れて風も千里と分け入りぬ

眼枯れ拝み太郎や甲斐もなし

しぐれ雲らしき暗さに鳴き急ぐ

伏せ葱の首を擡ぐる初時雨

裸木に取り残されしくわりんの実

正夢の如くに花と帰り咲く

冬菊に光陰淡くありにけり







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