寒行托鉢五日目
結びたる御籤固きも寒の内 玉宗
寒行托鉢五日目。
昨日は一日中風が強かった。
北海道生まれの私は北陸能登も雪が多いところかと思っていたのだが、輪島に住んで間もなく、冬の雷にも驚いたが、雪よりも風の強さが半端ない所だと知らされた。輪島に住んで三十年以上になり、毎年托鉢を続けていたのだが、特に寒中は海からの強風を受けての托鉢となることが多い。網代笠や合羽を飛ばされたこともある。昨日なども笠に手を当てていなければ飛ばされてしまいそうな強風であった。
なにもそんな日に托鉢しなくてもいいのではないかと、夫人にも言われ、私自身もそう思わないではないが、習慣とは困ったもので、悪天候の中での托鉢も又、それなりに面白い。面白いと言ったら語弊がありそうだが、昨日の記事で少し書いたことだが、「寒さ」が余念を吹き払う要因であるように、強風や悪天候も又、余念や邪念を払う手立てとなってくれているようなところがある。しまいには、ランナーズハイではないが「托鉢ハイ」のようなトランス状態?に落ち込んでしまいそうになる。まあ、それは冗談というか、ほとんど妄想だが。
いつまで托鉢を続けることができるのか分からんが、寒行托鉢の真っ最中に倒れ、野垂れ死にする可能性もなくはない。本望といえば本望かな。\(^o^)/
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申込先 郵便番号927・2151 輪島市門前町走出6・66・1 興禅寺
「ひかり」
福寿草ひかり溢れて咲き出しぬ
鈴なりに並び飛び立ち寒雀
冬薔薇腸寒き日なりけり
込み合へる冬闌の顔をして
臘梅の己が光りに濡れゐたり
托鉢の鈴の音かろき冬田べり
パンジーのひかりひらめく二三枚
冬木立雲中に日はうつうつと
月冴えて壁に窶れし頭陀袋
皸の赤き口開く月夜かな
「輪島朝市」
北しぶく輪島朝市いろは橋
住吉のそれは大きな軒氷柱
ひそやかに念仏寺の枇杷の花
曳売り女氷雨の橋を渡りゆく
雪しぐれ路地に酒蔵湯気吐いて
朝市の路地より見ゆる冬の海
重蔵の杜へ逃れし寒鴉
千両を一輪活けて沈金師
毛嵐の橋を渡りて朝市へ
寒雀塗師屋の庭に来て遊び
橙や輪島木地屋の垣根越し
寒椿輪島朝市市姫社
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