一歩一歩の人生

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水っ洟ここにも一人ほとけの子 玉宗

寒行托鉢も中日となり折り返し。

今年は例年になく厳寒の寒中となって頗るやりがいがあるとも言えます。今のところ還暦を疾うに過ぎても歩けていられることに感謝ですな。お命様に合掌。負け惜しみではありません。雪の中、吹雪の中を一歩一歩を踏みしめていく托鉢。それがそのままわが人生であることを教えられている日々です。まあ、仏弟子であれば当たり前のことで自慢にもなりませんが。

明日も天気が荒れそうですが、晴れない日はありません。自然の運行はわが思いや都合を置き去りにしてありのままです。人には余りにも気まぐれに見えるのですが、諸行無常とはそのような代物で、だからこその困難や災厄であり、そしてだからこそのやりがいや恩恵でもあるのですね。まさに仏道を行ずるに日々是好日。生老病死も然り。一歩一歩に成仏している人生。成仏するに都合のいい日なんてありはしないと身にも心にも銘じて歩んで行きたいものです。合掌。\(^o^)/ 


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「踏切」
能登富士に霞かかれる冬田かな
冬の虹信号待ちをしてをれば
踏切の向かうも雪がちらほらと
日向ぼこ忘れてしまひたきやうに
白鷺の肩窄め立つ雪野原
嘗てあり蜜柑を剥いてくれし人が
雪折の谺に山の深さあり
掻き寄せし雪の汚れて窶れたる
能登沖に霞む島影初観音
風花の地に触れなむとして消ゆる




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「大寒」
大寒の尻で餅つく故郷かな
托鉢の足跡凍る一列に
退屈で死ぬことはない寒鴉
橙の雪をも解かす黄の灯し
背戸につむ薪に雪降る杣家かな
すが洩りや憚りながら生きて来て
葉牡丹に見知らぬ空のあるばかり
仏手柑火魂となりて飛ぶかたち
風呂吹に添へたる柚子の二三切れ
ばら撒きしやうにも遊ぶ寒雀
水餅の水の濁りも二十日かな
煮凝りや洒落にもならぬ夜の冷え




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