記念写真って、どうよ?!



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神妙な記念写真に納まる四月 玉宗


 先日4月6日に行われた大本山總持寺祖院震災復興落慶法要での記念写真である。大祖堂前の階段を雛壇として前列から錚々たる宗門のお歴々が並んでおられる。元より身の程を知らぬ訳ではないので、当初は記念写真に入るつもりもなかったのだか、なんだかそれも慢心のなせる業のような気がして、流れに任せてぞろぞろと外へ出て行ったのである。

法要の裏方に徹した我が弟子は後列の中ほどに、夫人はその斜め右下あたりに見える。因みに夫人は今年から御詠歌の会長に当たってしまい忝くも同席を許されていた。で、吾輩であるが本山直末寺院ということでもあろうか、或いは枯れ木も山の賑わいということで法要では両班頭首位に入ることを命じられ大般若祈祷を修行させて戴いた。

記念写真であるが、コロナ禍ということもあり法要には招待されたり、事前に出席を許された者だけということだったのだが、それにしてもこの数である。写真にだらだらと時間を掛ける訳にもいかず、まとめて一回ですますことになった。記念写真に入ったことのある人は分かるだろうが、遠慮したりしなかったりで結構手間がかかり、だれとなく指図をし出すものである。

カメラマンはひとり汗だくで立ち位置を指図懇願していた。それでも隙間ができて、特に両側にはまだ一人分が入るということで上にいないで降りてきてくださいと頻りに勧めるのであるが、だれも降りようとしない。時間は過ぎていく。たまりかねて最上段にいた私が率先して階段を下りてその隙間を埋めたのだが、後ろからは誰もついてこないではないか。ふと、横を見ると兄弟子でもある前總持寺祖院監院がおられるではないか。

「あんたがおさまる立ち位置じゃないよ」と叱られるかと思いきや、いつものように何気ない優しい言葉を掛けてきて、おふざけ心から私を最前列に押し出そうとする。老師の後ろでもよかったのだが、周りをみれば知らない顔がいない訳でもない。それをいいことにそのまま居座ってしまった。その知った顔の面々も今では大した肩書を持っている方々ではある。本来遠慮すべきなんだろう。そんな雰囲気がなかった訳でもない。

まして二列目には私は存知しないが恐らく宗門の老大宗師が並んでおられるのだろう。畏れ多いと自粛すべきところなのだろうが、まあ、最前列はともかく二列目以降は記念写真というお目出度くも楽しいひと時を切り取るという本来の目的に叶えばいいんじゃないかと勝手に自分に言い聞かせてそのまま強行した。

この写真を見て今頃「こいつはだれだ?」と訝っておられる御仁や「あのバカが二列目に入るか?!」と呆れている何様もいることであろう。
ということで、後の祭りっていうんですか。親子三人、無事に記念写真に納まることができてよかったねと一人悦に入っているのではありました。\(^o^)/



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「空」
入学し使ひきれざる空のあり
春霞うごめき流れひろがりぬ
逃げてゆく風船空に吸ひ込まれ
蝌蚪の来ておのれが影に重なれり
人知れず力尽くして花いちご
追ひつけぬ燕とまん丸い空と
独活採りに山へ深入りするところ
囀りや行きも帰りも上の空
燻ぶれる火花散らせり花楓
花守や冷飯食うた顔をして
萌え出でて湯の沸くやうに萩若葉
人を待つ空はうつろや花は葉に
夜桜に浮び上がりし羅刹天


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「とき」
角なして笹の葉芽吹く穀雨かな
山里ののどけからまし蛙鳴く
百寿なる母へにほへり木の芽風
春雷や雑巾固く絞るとき
田鼠化し鶉となりてかくれんぼ
放課後の空は淋しき燕かな
やることがないどうしたものか目借どき
都忘れ未だ三顧の便りなく
二人なら越えてゆけるさ春の虹
囀りや髭剃り当ててゐたるとき

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