百歳現役俳人・金原まさ子

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北吹くと零番線のホームより 玉宗

今年百歳になる横浜市在住の女性俳人がいる。故・桂信子の起した俳誌『草苑』の同人でもあるベテラン俳人金原まさ子氏である。東日本震災を機に身辺整理をする中で俳句を止めようとも思ったらしい。句友に勧めでブログを提案されて「やってみよう」と気が変わった。
谷崎潤一郎、三島由紀夫、渋沢龍彦の作品が好きで、七十歳を過ぎてデビットボーイと坂本龍一が出演した映画「戦場のメリークリスマス」を見て、男性の美しさに魅了されたという。
「わたしオタクなの」
「上手な句は作れない」

上手に作ることに苦心しているわが作句現場が恥ずかしい。知る人ぞ知る俳人であったのだろう。先日記事にした若手俳人の作品の中に於いても違和感のない、その枯れる事のない詩精神、感性に驚嘆するばかりである。このような作品に出会うと、詩の欠片もない上手な俳句で溢れ返っている伝統俳句のどこが面白いのだろうと言いたくなる。俳諧自在といった観がある。このような先達がいると思うだけで後輩は頼もしい限りである。
益々のご健吟とご加餐を祈りたい。

金原まさ子百歳からのブログ「かねこねこ俳句便」より作品の一部を紹介させて戴く。

ドンペリオーダー常連かんむり鷲の王
壁に塗り込めておこう冬のでで虫は
身めぐりを雪だか蝶だか日暮まで
薄氷に螺鈿の櫛がのせてある
えりがみ掴まれた野イタチの恍惚よ
あすは雪の櫛や油や雪女
冬バラ咥えホウキに乗って翔びまわれ
噛んで吐けば檸檬の皮の黄やけわし
ガルガンチュア落下桜紅葉の上枝から
よじれて寝々(ねね)せい月の夜の桔梗は
搾木にかけたいかけたい厚物咲黄の
むささびの闇が赤いよ美青年
少し狂いながく狂いて天の川
冬タンポポ陽だまりにいて渇きおる
いつからそこにベッドの下の鎌鼬
あのきれいな目は緋連雀二丁目の
死におくれているのは白梟のせい
ああ濃すぎる錦木紅葉よ刺す
子羊の毛触りよこの露寒は
精霊の家にあつまり桜鍋
時間切れです声を殺してとりかぶと
ひざまずきささやき死ねばと海鼠腸出す
両どなり留守の「ベニテングタケのタルト」と云うを食いぬ
ちらばっているのは古い手毬とうすい毒
風花の露台をよじのぼるもの視たり
そのとき不在花野のなかの厠神 
いもうとへ今依り憑くよ紅葉鮒
いなびかり乞食(かたゐ)とねむる妃にて
覗かせてもらえなくても納屋は罌粟
大綿のああすはだかのひとひらよ
シェリー忌の眼球が浮く秋の水
冬が来るとイヌキが云えり枕元
ひとりづつ人に化(な)り去りぬ菊人形
馬刺したべ火事の匂いがしてならぬ
とても可憐よ白い無地着て穴まどい
半熟卵で汚れっちまったイベリコハムよ
蓑虫を無職と思う黙礼す
片腕の馭者が十月桜樹下
徘徊の秋蛍です平熱9度
ユリイカゲイカルチュア特集という鱗雲
紫の鬘を購えり秋の暮
くっと目を寄せ女鹿の角を探しおる
ねらいは鎖骨ゾーン月夜の蟇め
月夜茸へ体温の雨がどしゃぶり
目撃者です月と男郎花兄弟と
白鹿と「森の樵夫のスパゲッティ」食いに
栗ひろう深爪の指第一発見者
にくのよろこび文化の日の晩餐


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「はじめての俳句」講座募集(やさしく楽しい講座ですよ!)

・20代~40代の若い人が対象です。

・岐阜県各務原市産業文化センターにて
   (名鉄各務原線「市役所前」下車徒歩1分)

・第1回は2012年 4月21日(土)午後 1時半~3時半
   (以後8月迄毎月第3土曜日午後1時半~3時半の5回講座です)

・受講料は5回分2,000円(教材費、茶菓代を含みます)

・申し込みは葉書、又はfax(058-371-2164)にて
   住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上

★〒504-0905 各務原市蘇原六軒町4-10-10-2-306
   栴檀発行所

★又はメールにて(mattari@xpost.plala.or.jp)迄











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